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そこに工場があるかぎり

そこに工場があるかぎり

そこに工場があるかぎり

作家
小川洋子
出版社
集英社
発売日
2021-01-26
ISBN
9784087816945
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「そこに工場があるかぎり」のおすすめレビュー

日本のものづくり現場はかくも美しい!小説家・小川洋子が綴る大人のための工場エッセイ

『そこに工場があるかぎり』(小川洋子/集英社)

〈長年抱き続けている工場への思い入れを本の形にして記したい。子どもの私が味わったあの瑞々しい体験を、作家になった今の自分の言葉でよみがえらせてみたい〉――著者・小川洋子のこうした思いから生まれたのが本書『そこに工場があるかぎり』(小川洋子/集英社)だ。

 生家の向かいには鉄工所があり、小学校の通学路には高い塀に囲まれた正体不明の工場があったという著者。「いったい中では何がおこなわれているのだろう」と妄想をふくらませていた子ども時代の好奇心はそのままに6つの工場を取材し、小説家ならではの表現で記録した。

 訪れた工場は、金属加工(大阪)、お菓子(神戸)、ボート(滋賀)、ベビーカー(東京)、ガラス加工(京都)、鉛筆(東京)。どれも時代の最先端でバリバリやっているというよりは、地味だけれど昔から身近になくてはならないといったものばかり。著者がその都度興味を惹かれる工場を取材していった結果、上記のようなラインナップになったのだとか。

 普段はあまり気にも留めないけれど生活になくてはならないモノたちが、実際はどのよう…

2021/4/22

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そこに工場があるかぎり / 感想・レビュー

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KAZOO

小川洋子さんによる工場見学の話で楽しめました。結構面白い質問をしたりしています。いまは小学生など工場見学はないのでしょうか?私の経験ではお菓子の工場や新聞社(昔の活字や輪転機のあったころ)や万年筆の工場などを見学したことがあります。修学旅行というよりもこのような見学のほうがためになると思うのですが。社会人になってからもビール工場、製鉄所、チョコレート工場などを見学しています。

2021/08/16

真香

図書館本。小川洋子さん初読み。細い穴を開けることに特化した会社(大阪)をはじめ、お菓子(神戸)、ボート(滋賀)、乳母車(東京)、ガラス管(京都)、鉛筆(東京)の6つの工場の現場を見学・取材したエッセイ集。いずれの工場も派手さはないものの、熟練した技術力を持つ職人の存在が不可欠。筆者のものづくりに携わる人々への敬意や工場への深い愛から温かみが伝わってきて、読んでいてとても心地良い。同時に、自分の身近にあるものをもっと大事にしようと改めて思った。文だけでなく、説明用の写真やイラストがあったら尚良かったかな。

2021/04/28

とろとろ

日本で作られる所謂純粋なメイド・イン・ジャパン製の、繊細で且つユニークなものづくりのすばらしさと美しさ、そこに携わる人々の思いを伝える珠玉の工場見学エッセイ、なんだと。「クール・ジャパン」か「美の壺」みたいな、そんな話が全6話。芥川賞作家が書いた文章はさすがに状況がよく判る。自分が知りたい事の好奇心と工場愛が溢れているってか。著者は少女時代にこうした町工場の周辺で育ったということなので「然もありなん」と思わせる。三浦しをんは博物館めぐりの本を書いていたけれど、工場めぐりの本というのも初めてで面白かった。

2021/08/15

Kei

今も世界のどこかで、誰かが何かを作っている。製品への妥協のない探求心、尽きることのない誠意が、もの作りの熱意の源。穴、お菓子、ボート、乳母車、ガラス、鉛筆。特殊なものではなく、誰もがその形を思い描けるものばかりの工場見学記。感動しました!人間だけがものを作る動物、つまり想像力を持つということ。現場は、予想を越える理念と精神。スプリングエイトの穴の奇縁、サンポカー(保育所の子供移動車)での子供目線、減った分だけ何かを生み出す鉛筆。一心で正確で無駄のない、もの作りへの尊敬の念をあらたにさせていただきました。

2021/06/04

ぶち

小川洋子さんによる工場見学記です。でも、そこらの見学記とは一味も二味も異なっています。後書きに「工場への思い入れを、本の形にして記したい。子供の私が味わったあの瑞々しい体験を、作家になった今の自分の言葉でよみがえらせてみたい。」とあるように、この見学記の小説作品のような文章のたたずまいが素敵なのです。 ものづくりの現場を目の当たりにして、驚異の念に打たれ、しみじみ感動する小川さんの文章を読めば、誰でも日本のものづくりに携わる人々と製品を愛おしく思うようになります。

2021/06/20

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