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かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)

かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)

かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)

作家
東村アキコ
出版社
集英社
発売日
2015-03-25
ISBN
9784087920048
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「かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)」のおすすめレビュー

東村アキコが自身の半生を綴った『かくかくしかじか』。死ぬ気で何かに向き合う“生き様”が美しい傑作コミック

『東京タラレバ娘』や『海月姫』でおなじみの漫画家・東村アキコ氏が表現者としてすごい理由のひとつに、「強さ」があると思う。これほど濃密なストーリーと高い熱量を持つ作品を、何作も描き続けられる強さの根源が、この『かくかくしかじか』(集英社)を読むと理解できる。

 本作は、著者が、美大合格を目指した高校時代から人気漫画家になるまでの半生を綴った作品。宮崎に生まれ、幼い頃から漫画家を夢見ていた高校3年生の主人公・明子は、美大で絵を学びながら漫画を描き、学生時代に作家デビューするという青写真を描いていた。そんな中、友人に誘われて美大受験に必要なデッサンを学ぶため、海沿いの古い民家で営まれる絵画教室へ。そこで出会った「先生」こと日高は、竹刀を振り回し、生徒を罵倒しながら絵を描かせるスパルタ絵画教師だった。

 日高絵画教室で猛烈に学んだ甲斐あって、明子は国立の美大の油絵科に合格。漫画も描かず遊び暮らした大学時代を経て地元で就職してからは、アシスタント講師として日高絵画教室を手伝うことに。恩師であり、相棒でもある先生との奇妙で特別な絆が育まれていくが、漫画家として本…

2023/7/7

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かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス) / 感想・レビュー

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Nishiuchi130

ずっと、先生死んでないラストはありえるなと思っていた。まだ宮崎で元気なのです、と李さん一家風ラストを想像したりした。普通はないが、東村アキコならあるかも、許される、ありえるなーと思っていたんだが、単純に俺が望んでいただけだった・・・誰かの無償の愛を受けたことがあって、それを返せなくて、あとでその偉大さに気づいて後悔したことは、多かれ少なかれみんなあって、・・・だから先生死なないでと思ってしまうんだろう。3巻の感想でラブレターと懺悔録なのだろうと書いたけど、これは先生への謝辞と読者へのエールなのだと今思う。

2017/09/30

G

自分を客観的に見ることは不可能だ。だからドキュメンタリーは嘘をつく。他者に対して自分が自分を演じていくのは当たり前のことだ。だがこの作品にはそのケレンミが感じられても、嫌味な所が全くない。笑わしてくれるし、泣かせてくれる。そのストーリーテーリングにグイグイ引き込まれていく。この漫画は日高先生と明子のラブストーリーに読めた。案外、師弟関係とは恋人同士の恋愛感情のようなものではないか。時間は戻せないが、その後悔はいつまでも残り、新たな生き方を生んでいく。力強い作品だ。とにかく進もう。「描け」。

2016/03/06

かずー

大阪で日高先生が亡くなったことを知る。漫画を描くのに忙しく先生の死に目に会うことができず後悔をする。最後はこうなるだろうと予測はできていたが、やはり辛い辛すぎる。先生がいつも言ってた「描け」の言葉が生徒達の心にいつまでも残っている。芯のある先生で尊敬できる。こんな熱い先生に教わることができた生徒が羨ましい。いいお話をありがとう。

2020/09/27

あん

日高先生の最後の言葉『描け』に、だーだーの号泣でした。自分の人生にこんなにも深く関わってくれた恩師との出会いがある、東村先生は幸せ者だし羨ましいです。いい作品に出会えました。

2015/07/20

抹茶モナカ

肺がんで余命4ヶ月を宣告された日高先生の所へ飛ぶアキコ。日高先生は入院せずに、死ぬまで絵を描くと言う。アキコは漫画で大仕事を抱えていて、先生を置いて、大阪に戻る。先生の事を忘れるように、漫画を描き続けていたある日、先生の訃報が届く。日高先生が今ちゃんに語った言葉が、胸に来る。ただ、都合良く恩師の死を引っ張り出したセンチメンタルな回顧録っぽい感じもしつつ、読みきってしまった後は、説得力を感じもした。

2016/01/30

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