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小太郎の左腕

小太郎の左腕

小太郎の左腕

作家
和田竜
出版社
小学館
発売日
2009-10-28
ISBN
9784093862585
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小太郎の左腕 / 感想・レビュー

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海猫

爽快な活劇を期待して読んだら、重かったし、苦渋に満ちた展開もあって予想と違った。しかし直線的なストーリーと躍動する人物もあって面白い。実質の主人公は小太郎より林半右衛門でしたな。それはまあいいんだけれども、小太郎が狙撃等で活躍する場面が、もっと見たかったような気がしないでもない。でもこの抑制があるからこそ、作品全体に哀切な情感が漂っているともいえる。これで今現在のところの和田竜小説作品は全4作コンプリート。また新作が出るのを待ちたい。あるいはまた映画化があってそれがこの「小太郎の左腕」だったりするのかも。

2018/09/12

おしゃべりメガネ

『のぼうの城』『忍びの国』と続く和田竜さんの時代小説三部作(勝手に名付けてます)の三作目です。個人的には今作がぶっちギリで好きな作品です。とにかく‘カッコいい’です。時代小説は普段、あまり(ほとんど)読まないのですが、本作はその素晴らしい世界観と圧倒的に個性的なキャラクターに魅了され、完全に引き込まれ、とても興奮して読みました。『のぼう~』は正直、テンポがダルく、『忍び~』はまた極端にテンポが早すぎて(‘忍び’だから当然ですが)作者の素晴らしい世界観を十分に堪能できなかったのですが、本作はバッチリでした!

2010/02/21

エンブレムT

『戦国の世』ならではの漢気は、カラリと潔くも どこか哀しい。それは、その輝きが常に死と背中合わせだからなのだろうか。敵対する戸沢家と児玉家が誇る豪傑、林半右衛門と花房喜兵衛。武者振りの良さと実力と、二心なき真っ直ぐな心根でもって互いを認め合う2人。怒涛の展開を見せる戦の中で、彼らの生き様はなんと切なく鮮やかなのだろう。そして幼子の瞳を持ったまま、銃を持つ左手に神の技を宿した少年・小太郎。彼の異質さもまた・・・・。淡々と読んでいたつもりなのだけれど、 ラストに風車がでてくる場面が今も頭から離れない。

2012/01/26

財布にジャック

毎度のことながら、戦国時代の男達の生き様には、胸を熱くさせられる「何か」があります。この作品には、その「何か」が沢山詰まってました。小太郎の天才ゆえの宿命も哀しいですが、それよりなにより半右衛門の潔さにラストで涙してしまいました。じいの三十郎も敵役の喜兵衛といった脇役も、もう皆が助演男優賞ものでした。ストーリーは単調でしたが、こういう歴史エンタテインメントは、誰もが読みやすくて歴史が身近に感じられるので、歴史苦手な方にもお薦めしやすいです。

2011/06/28

MURAMASA

和田竜さん2冊目。映画脚本の執筆がデビューのきっかけということもあってか、本作も『のぼうの城』同様、歯切れのよいドラマチックな作品に仕上がっています。きっと映像化しても面白そうですが、『のぼう』にくらべてスケールが小さい分、映画よりも2時間ドラマ向きな感じでしょうか。キャラでは主人公と言える林半右衛門がよかったです。典型的な戦国武者であり、義に生き義に死んでいこうとする彼の在り方に好感が持てました。もっと深く人物を描いてもいいかな、とも思いますが、この長さで一気に読ませるのが本作の魅力なんでしょうね。

2010/10/30

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