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虫娘

虫娘

虫娘

作家
井上荒野
出版社
小学館
発売日
2014-08-27
ISBN
9784093863834
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虫娘 / 感想・レビュー

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風眠

人間なら誰しも身に覚えのある、悪意や嫉妬といった感情というか、心の闇というか、他者には見せない部分。何にも後ろめたいことはありません、自分は清廉潔白な人間です、なんて人は、まずいないだろう。けれども、この物語の登場人物たちは、心の闇というレベルでは括れない気持ち悪い人ばかり。とあるシェアハウスで開かれたパーティーの夜、雪が降り積もる中庭で全裸で死んだ「虫のような」女。その女をめぐるシェアハウスの住人も、私は虫みたいだと思った。何を考えているのか、何をしているのか、知れば知るほど気持ち悪さが込み上げる物語。

2014/10/25

きさらぎ

「愛せなくなった相手との別れの条件がシェアハウスで一緒に暮らすこと」これはキツイ。愛されていないことがわかっても愛し続けることができるものなのか。愛はいつからか執着に変質するものなのか。誰の記憶にも残らないように生きていきたいと思っていた照の死後、残された人々が人生を棒にするほど照を意識して行動を起こしていたなんて皮肉だ。自由に見える照もまた密かに愛した人の想いを知った時、「もっと生きているように生きているべきだった」と自分自身へ怒りをぶつける。愛も自由も生きていることも失いかけた時に初めて気付く幸せだ。

2017/02/04

えりこんぐ

梅雨の時期に相応しいのか何なのか、じっとり湿り気を感じるとてもこの作家さんらしい作品だな、と思った。雪の日に謎の死を遂げた女性。その死因が知りたくてがんばって読んだけど、なんだか疲れた。。このシェアハウスの住人は、壊れた人ばかりだ( ´Д`)

2017/06/26

なゆ

シェアハウスに住む樅木照が謎の死をとげ、霊となって他の住人4人と不動産屋の曳田陽一郎の周辺を観察している。浮遊霊なんだろうけど、うつろな感じでみんなの周りをあっちへこっちへ漂ってる照こそが、羽虫かなんかのようだと思ってしまった。生きてる時も死んでるようで、よくわかんないヘンな女、虫みたいな、と言われる照。照の死は自殺なのか、事故だったのか、誰かに殺されたのか…住人同士も仲がいいようで悪いようで、なにか秘密を共有してるようで。ラストのあの光景と二人の気持ち、そこだけは確かに恋愛小説の切なさが漂っている。

2014/10/01

ちゃんみー

とても不思議な感じのするお話でした。荒野さんの本は多分初読みかもしれません。だから余計にそう思うのかも。シェアハウスでの出来事なんですけど、若者のお話ではありません。大人の少しエッチでかなりドロドロした感じがしました。結局なんでそうなってしまったんだろうか?という内面にまでは想いが至りませんでした。恋愛小説とミステリー小説の複合版ですね。

2014/09/22

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