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痛みの道標

痛みの道標

痛みの道標

作家
古内一絵
出版社
小学館
発売日
2015-07-23
ISBN
9784093884341
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痛みの道標 / 感想・レビュー

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モルク

就職氷河期に一部上場のIT企業に就職した達希、しかしそこはとんでもないブラック企業、粉飾の補填を自腹でして借金まみれとなる。自殺をはかった彼を助けたのは15年前に死んだ祖父だった。祖父の亡霊と共に祖父が戦時中に従軍していたボルネオ島に…現代と、戦時中の話が二元的に語られる。「生きる」力を感じ、明日を見つけられるような作品。あまり交流のなかった祖父が深い愛を注いでくれたことに感動した。

2017/09/06

ゆみねこ

古内一絵さん、初読み。これはお勧めです!登録数が少ないのは残念。ブラック企業で行き場を失い、命を断とうとした八重樫達希は15年前に亡くなった祖父に助けられ、取引を持ちかけられる。南方の戦争、インドネシアのカリマンタン島で起こっていた悲惨な出来事と祖父の来し方。逃げるような生き方しかできなかった達希が、祖父の過去と向き合うことで成長してゆく。最終章では涙が止まりませんでした。戦争に正義はない、人として許されざることだと強く感じました。

2015/10/21

まちゃ

第二次大戦中にインドネシアの西カリマンタン州ポンティアナックで起こった日本軍による虐殺事件(ポンティアナック事件)を題材に弱いものを犠牲にする組織の不条理とそれに翻弄された人々を描いた小説です。戦争の悲惨さを知ることであらためて平和の大切さを認識させられる小説でした。/ブラック企業で粉飾決算の責任を着せられて飛び降り自殺を図った達希。15年前に死んだ祖父・勉の霊に助けられた達希は祖父とボルネオへ人探しの旅にでる。祖父の過去と向き合うことで達希は生きる目標を取り戻す。

2015/10/13

taiko

ブラック企業での仕事に疲れ、ビルから飛び降りた達希を救ったのは15年前に亡くなった祖父勉の幽霊だった。 祖父に頼まれ人探しをすることになった達希が向かったのは第二次世界大戦の戦地ボルネオ島。そこで知る悲劇と祖父勉の過去。 まだまだ知らない戦争の悲劇は沢山あるのだと思い知らされました。 知らないことばかりで、途中何度も検索しながら進める読書となりましたが、出会って良かった。 現代とその時代をつなぐための設定がうまいなと思います。 違和感なく読み進めることが出来ました。 →続く

2017/08/20

佳音

涙が出た。感動が心の隅々まで響いている。最後にこんな言葉があった。「誰かに用意してもらった居場所にしがみつくのでも、無闇にそれを探し回るのでもなく、今いる自分の場所をしっかりと踏みしめて前を向く、本物の脚力をつけるのだ。」私も「生まれたての新しい心ですっくと」立とう。

2016/05/14

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