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伊豆の踊子 (新潮文庫)

伊豆の踊子 (新潮文庫)

伊豆の踊子 (新潮文庫)

作家
川端康成
出版社
新潮社
発売日
2003-05-05
ISBN
9784101001029
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あらすじ

旧制高校生である主人公が孤独に悩み、伊豆へのひとり旅に出かける。途中、旅芸人の一団と出会い、そのなかの踊子に、心をひかれてゆく。清純無垢な踊子への想いをつのらせ、孤児意識の強い主人公の心がほぐれるさまは、清冽さが漂う美しい青春の一瞬……。ほかに『禽獣』など3編を収録。

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【1分間名作あらすじ】川端康成『伊豆の踊子』――少女の純粋な美しさに触れることでほぐれていく憂鬱な少年の心

『伊豆の踊子(新潮文庫)』(川端康成/新潮社)

 孤児として育ったせいで自分の性格が歪んでいるということに気付いた主人公の学生「私」は、その思いに耐えかねて伊豆の旅に出た。その道中で旅芸人の一行に出会う。その中にいたある踊子に惹かれ、下田までの旅路を彼らと共にする。この時代、芸人という職業柄のため世間から蔑視されていた旅芸人たちは、分け隔てなく好意的な態度で旅を共にする「私」の優しさに心を開き、また「私」自身も彼らの優しさに触れていくうちに心が安らいでいくことに気付く。

 ある晩「私」は旅先の宿で踊子が男の客に汚されているのではないかと心配になり夜も眠れなかったが、翌日浴場でうれしそうに手を振っている踊子を見て安心する。踊子の持つ純粋な美しさにすっかり魅了された「私」だが、船で東京へと帰る日が来る。「私」は別れの前夜に踊子らを映画へ誘うが、母から反対された踊子は現れなかった。結局ひとりで映画を観た「私」は得も言われぬ心寂しさに襲われ、帰り道に涙をこぼす。

 そして別れの朝「私」が船乗り場へ近付くと、そこには踊子がひとりでうずくまっていた。何を話しか…

2018/5/7

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伊豆の踊子 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

恐らく初読みの川端康成。短編4編を収録。特に標題作と「温泉宿」が印象に残った。まずは標題作。20才の主人公は伊豆の温泉地を旅行中に旅芸人の一座と交流を持つ。その中の踊子とお互いに淡い思慕が芽生える。踊子は14才であり、まだ大人と呼べない未成熟さがある。碁盤を挟んでの、ふとした羞恥。お茶を出す際の震え。二人の瑞々しさが一服の清涼感を与える。「温泉宿」では風情が一変し、女性達の生々しさ、仄白く闇に蠢く肉感的な美しさと哀切に引き込まれる。ある意味、戦前の日本のおおらかさと美しさ、逞しさを見たように感じた作品。

2018/09/17

新地学@児童書病発動中

有名な表題作を含めた4つの短編を収録。どの短編も個性的で独特の美しさを湛えている。「伊豆の踊子」は青春の小説の金字塔として、これからも読まれていくだろう。可憐な踊り子の描写が印象的で、作品全体に漂う清冽な抒情が読む人の胸を清らかなもので満たす。今度読み返して、一番印象に残ったのは「温泉宿」だった。鄙びた温泉宿で働く薄幸の酌婦たちの生き方を、詩情豊かに描いている。子供たちに好かれながら、幸薄い短い人生を終えるお清の描き方に、川端康成の人間としての優しさを感じた。

2015/07/19

しんば

初体験「眠れる美女」「古都」。そして「伊豆の踊子」へ。「踊子に別れたのは遠い昔であるような気持ちだった。婆さんはどうしたかと船室を覗いてみると、もう、人人が車座に取り囲んでいて--------」異次元川端先生。伊豆の波間に、不安がある様で、光る様で、未体験ゾーン、オッサンしんば。

2019/02/18

よっち@疲れ目注意☆彡

言い回しは少々古臭い表現が続くけれども、温泉宿の生き生きとした描写が素晴らしく、割と苦もなく読めた。ふと、戦前の女性達は、現代人とは比べようもなく、あらゆる権利において男性と差別されてはいたけれども、川端の作品を読む限り、より自由だったのではあるまいか。いや、不自由になっているのは男性も同じかもしれない。戦前の文学作品をもっと読んでみよう。叙情歌は、もしかして、川端が自身の宗教的な人生観を語っているのかも知れない。今風に言えば、スピリチャルなことを語っている。どの作品も、作者のモノローグ的な印象を受けた。

2017/07/09

さと

もしや明日は 天城の七里の山道であの踊子に会えるのでは・・・。淡い恋心や戸惑い・・・本来、人の心の奥底にある情が言葉でない感覚として、"私"の胸の鼓動とともに伝わってくる。なにがどうこの私の心を掴んで離さないのか 自分にもわからないのだ。でも確かにこの私の中で彼らば息づいている。解説を読むと、私が伝えたいとすることなど、固い岩に小さなスコップで穴を穿つかのようで、ただただ情けなくなる。何度も読み何度も感じていく作品なんだろうが、拙くとも私の心に息づく川端康成の世界がたまらなく好きだ。

2016/10/12

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