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伊豆の踊子 (新潮文庫)

伊豆の踊子 (新潮文庫)

伊豆の踊子 (新潮文庫)

作家
川端康成
出版社
新潮社
発売日
2022-06-24
ISBN
9784101002453
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伊豆の踊子 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ykmmr (^_^)

誰もが知る、川端の代表作。川端の自伝的と言える主人公の生い立ち。肉親を幼い頃に沢山亡くし、それにより人に対して、「人」に対する気持ちが育たず、それに苦悩している。そして、心の『静養』を求めて、旅した伊豆。そこで『運命』があった。他作品の『舞姫』にも通じるである、1人の踊り子との出会い。ひたむきで儚い彼女に魅了され、同行の『旅芸人』の一座にも心から絆されている。そこで生まれた彼の『純粋』な気持ちは、生きる事・小説家としての『原動力』となり、小説の最後に彼は涙を流す訳だが、

2022/12/27

tonpie

「伊豆の踊子」初読み。この作品についてのみ。年譜を読むと、川端は大正7年、19歳で初めて伊豆に旅行し、旅芸人一行と道連れになるとあり、「伊豆の踊子」掲載は大正15年。8年も寝かせて書いている。一高の制帽、絣の着物に袴履いて徒歩で旅行中、旅芸人の家族の中に美しい少女をみつけ、同行する。「十七歳くらいに見えた」しかし、実際はもっと幼かったと。『この美しく光る黒目がちの大きい目は踊り子の一番美しい持ちものだった。(略)それから彼女は花のように笑うのだった。花のように笑うという言葉が彼女にはほんとうだった』。↓

2023/01/25

tonpie

「伊豆の踊子」に続き、この本に入っている以下の3編を読了。 ●「温泉宿」アクロバティックなカット割りで、読んでいて目が回る。晩夏から冬にかけて温泉宿の酌婦たちの悲しいポートレート。ピカソ「アヴィニョンの娘たち」を連想させる。以下引用 (十六七の頃から、こんな山深く流れて来て、すぐに体をこわしたお清は、この村を死に場所と思い込むようになった。死のことを考えている小娘を、男達は青白い影を抱くように取り扱った。にもかかわらず、彼女は度々毀れた。そして暇さえあれば村の幼児と遊んでいた。)↓

2023/01/26

わむう

三島由紀夫の解釈と重松清の解説つき。なんと豪華なんでしょう。

2022/11/19

寝落ち6段

他『温泉宿』『抒情歌』『禽獣』を収録。『抒情歌』に「思い出は美しいもの」とある。差別の中で生きる瑞々しい十四歳の踊子、嘗て捨てた純朴さ、人間の心を持たぬ鳥や犬。己の境遇を受け入れたつもりでも、心の隅で残る鉛のような重石。憧れは嫉妬、愛は憎悪と一体なのかもしれない。踊子と別れた若者は、出委せに涙を出した後、何も残らない甘い快さを感じたのか。踊子との別れの寂しさもあるだろうが、少し大人になった成長感や覚悟をもって共に旅をせずともよいという安堵感、美しい踊子のあどけなさを含め美しい思い出になったのかなと思う。

2023/07/26

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