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一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)

一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)

一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)

作家
石川啄木
金田一京助
出版社
新潮社
発売日
1952-05-19
ISBN
9784101093031
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ジャンル

一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ねこ

石川啄木の歌集。顔写真が載っていましたがとても幼い。22歳の時撮影されたようです。17歳で文学を志し26歳で肺結核にて永眠。顔に似合わず、かなり傲慢不遜な性格で遊興費に借金する人柄だったが人に愛される性格でもあったようです。「はたらけど はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手をみる」「あたらしき心もとめて 名も知らぬ 街など今日もさまよひて来ぬ」「こほりたるインクの罎(びん)を 火に翳(さが)し 涙ながれぬともしびの下(もと)」…歌はとても素晴らしいやはり天才ですね。

2023/06/23

扉のこちら側

2016年405冊め。現代歌人の桝野浩一氏が啄木の歌を現代語訳した「石川くん」を読んでから、いつかは読まねばと思っていた一冊。「石川くん」では、「 お金大好き、働くの嫌い。借金大王で、女ったらし。」という別の顔を知って、それまで(読んでもいないのに)抱いていた啄木のイメージがだいぶ変わったのだけれど、やはりこうして実際に作品を読むと「貧困に苦しむ秀才」の印象に戻る。好みでいえば「一握の砂」の方。

2016/06/15

優希

貧困と孤独が伝わってくるようでした。苦しい、悲しい、厳しい。そんな想いが込められた歌の数々。切迫した心が虚無感を伴った暗さと共に吐露されています。惨めで辛い気持ちの歌ばかりですが、今の欲にまみれた世間を突きつけられているような気がします。希望など見えないのに、啄木の歌にどこか救いのようなものを感じずにはいられませんでした。

2016/05/11

クプクプ

近所のレトロな本屋さんで買いました。最近、私は読書スランプになっていて、ふと詩のような短い文章が読みたくなり、その本屋さんで選んだのが、この本でした。石川啄木は教科書で習いましたが、本を買うのは初めてでした。札幌など北海道を読んだ歌が特に印象的でした。解説では石川啄木は文章は断片的でなければならない、という哲学をもっていた、と書かれていました。表紙の写真もよく、私の今の心境にマッチした当りの本でした。

2022/04/19

aika

啄木というと、貧窮に喘いだ天才詩人のイメージでしたが「褐色の皮の手袋脱ぐ時に ふと君が手を思ひ出にけり」「飴売りのチヤルメラ聴けばうしなひし をさなき心ひろへるごとし」など、優しい思いがこもっている美しい響きの歌に親しみを感じました。特に、岩手で神童と呼ばれた少年が味わった、ひとり置き去りにされたような挫折の苦しみが痛いほどに伝わってきました。妻と両親を養う義務を背負った貧しい生活や闘病、子供を亡くした哀しみなど、啄木が自身の人生を削るようにして編み出した歌に、どん底から這い上がる力をもらえそうです。

2018/10/03

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