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やがて訪れる春のために (新潮文庫 は 71-2)

やがて訪れる春のために (新潮文庫 は 71-2)

やがて訪れる春のために (新潮文庫 は 71-2)

作家
はらだみずき
出版社
新潮社
発売日
2023-05-29
ISBN
9784101213828
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やがて訪れる春のために (新潮文庫 は 71-2) / 感想・レビュー

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みかん🍊

カフェ開業を夢みていた真芽は親友に裏切られ会社まで辞めてしまう、そんな時骨折で入院した疎遠になっていた祖母ハルを見舞い庭の様子を見てきて欲しいと頼まれ訪れると、荒れ果てた庭に驚く、独居老人となって久しいハルは実は認知症になっていて庭の手入れも出来なくなっていた、なんとか昔の庭を取り戻したいと自力で奮闘する真芽に幼馴染みも協力してく再生されて行く、物を忘れるのは誰にもあるまして高齢になると致し方がない、花や木があり鳥や蝶がやってくる庭で風に吹かれ美味しいお茶とお菓子を頂く気持ちいい時間は大切。

2023/06/28

chimako

庭の再生と人の再生。人生に行き詰まった真芽と認知症で大腿骨骨折 にっちもさっちも行かない祖母ハル、ハルの小さな友だちあずき、思っていたような働き方が出来ない幼馴染みの遠藤くん、家を出て音沙汰のない弟 樹里、早期退職したは良いけれど次の職が見つからない父、お金はあるけど独りぼっちのジローさん、良い人なのか悪い人なのかわからない叔母……そして荒れ果てた祖母の庭。荒れ果てた庭には祖母の真芽に対する愛情が隠されているのだけれど、今はそれさえ分からない。草を取り、種を蒔き、少しずつ庭が整って夢の欠片が見えてくる。

2024/01/24

ゆう

優しさがぎゅっと詰まった庭が舞台の一冊。植物、手作りのお菓子が大好きな私にぴったりの本だった。人が人を想う心のあたたかさを感じ癒されました。「何も大きな事ではなく、出来る事をやればいい。何の為にとか、そんな事はこだわらなくていい。難しく考える必要はない。自分がやりたい事を、自分のやり方で、出来る範囲でやればいいのだ」そうしているうちに、夢は向こうから近づいてくる。

2023/08/05

akiᵕ̈*

終始ゆったりとした時間の中に。認知症になってしまった80歳のハル。ハルが歩んできた人生には、家の庭に季節ごとに変わる草木や花、果実があった。食卓には庭で摘んだそれらを食材に家族団欒があって、孫の真芽はそんな祖母とおやつ作りをするのが楽しみだった。祖母が入院し素敵だった庭が荒れ果ててしまっていたのをみた真芽は、幼馴染たちと共に手入れし、季節ごとに変わりゆく木々の生命力を通し、今自分にできることを見つけていく。ハルが大切にしてきたものを真芽が守り繋いでいく。そんな温かさに満ち溢れた庭の光景が目に浮かぶ。

2023/06/18

らび

大げさに言えば「人生再生物語」という位置づけでしょうか。入院中の祖母の家は荒れ果てていた。夢破れ留守の庭の再生に力を注ぐ孫娘。一つ一つ地道に出来ることをするだけ。認知症問題、家の売却問題、たぶん親と子には相当の温度差と認識度がある。介護とは?身につまされる気もしたが何が正解かは誰が決めるのかとても難しい。友人との繋がりでまずは一歩夢の実現に前進した。春のためにが訪れるその日が待ち遠しい。

2023/09/27

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