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音楽は自由にする (新潮文庫)

音楽は自由にする (新潮文庫)

音楽は自由にする (新潮文庫)

作家
坂本龍一
出版社
新潮社
発売日
2023-04-19
ISBN
9784101291222
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「音楽は自由にする (新潮文庫)」のおすすめレビュー

幼稚園で初めての作曲、YMOの成功、知人の死…。自らの言葉で綴った坂本龍一激動の半生

『音楽は自由にする(新潮文庫)』(坂本龍一/新潮社)

 2023年3月に惜しまれつつこの世を去った音楽家・アーティストの坂本龍一氏。2009年に出版された自伝『音楽は自由にする』が、このたび文庫化されました。人生における分岐点や、周囲からどんな影響を受けながら育ってきたかが振り返られています。

 東京で生まれ育った幼少期に早速、大きな分岐点が登場します。毎週のようにピアノを弾き自分で作曲までする幼稚園に、母の意向もあって坂本氏は通っていたそうですが、そうした環境でなかったら作曲はしていなかったか、もしくはもっと遅くに関心を持っただろうと振り返られています。

 譜面は無くなってしまったものの、その時に初めて作曲したのが「ウサちゃんのうた」というタイトルの曲で、夏休みの間、順繰りに各家庭にまわってきたウサギの飼育経験がベースになっていたそうです。「ウサギを飼ってみたときの気持ちを歌にしてください」というお題をもとに作曲したところ、くすぐったいような、「変なことをしちゃった」というような、一生頭に残るような記憶になったと語られています。

 大人の棚からレコー…

2023/4/28

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音楽は自由にする (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

坂本龍一の自伝。文体からすれば、どうやら聞き書きのようだ。彼が生まれた1952年から2001までを語っている。これを読んでいて思うのは、学校教育がはたしてどれだけ役に立つかということ。坂本龍一は高校あたりから、ろくすっぽ授業に出ていない。芸大時代も音楽学部にいるよりも美術学部とジャズ喫茶に入りびたり、大学院でも卒業製作くらいしかこなしていない。もっとも、幼少期から蓄積された音楽的教養は十分に彼を涵養したようであるが。また、この人は音楽仲間にも恵まれ、海外からも早くから認められるなど順風満帆な音楽家⇒

2024/04/25

ねこ

大好きな坂本龍一の自伝。幼い頃からやはり天才だったと実感。幼少期、学生期、青年期、熟年期の写真も掲載。坂本龍一がどんな下地で、何を考え、何を感じ、その時期、どんな気持ちで楽曲を書いたのかが理解できました。わたしがよく聞くenergy flowは5分くらいでサラサラっと作ったとあり、更にどうして売れたのかわからないと…ビックリです。YMO時代には他のメンバーと色々あった事はよく知っていますが、本人目線からはこう考えていた事も知れて納得です。教授の曲を再度、聴きたいと感じました。ご冥福をお祈りします。

2023/09/15

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

(2023-53)坂本龍一さんの自叙伝。YMOの音楽に初めて出会ったのは二枚目の「Solid State Survivor」が出た頃だった。面白いというか、ポップスしか知らない私には衝撃的だった。坂本さんのこれまでの履歴を読むとクラッシックをベースに現代音楽、POPS、ROCK、JAZZ色んな音楽が彼のベースになっている事がわかるし、その度に多くの人との出会いがあったのだなぁと思った。ラストエンペラーのサントラの陰にはあんな苦労があったとは!もう彼の作る新しい音楽が聴けないと思うと残念でならない。★★★★

2023/06/10

kokada_jnet

2009年刊行の坂本龍一の自伝的な本。「エンジン」編集長の鈴木正文によるインタビューが、2007年から同誌に連載されたものをまとめたもの。『ラストエンペラー』についての話が面白く。当初は坂本演じる甘粕正彦がハラキリする予定だったのを、「ハラキリなら自分は降板する」とまでいってベルトリッチを説得した。また、映画の音楽を担当する予定はまったくなく。撮影終了から半年たって、プロデューサーのジェレミー・トーマスに突然、頼まれ、中国音楽についての知識も事前にまったくないまま俄か勉強で、2週間で音楽制作させられた。

2023/04/09

優希

まさに音楽の申し子という印象を受けました。音楽の才能と深い探究心で音楽と関わっていたのですね。YMOとして、ソロとして名曲の数々を残してきた坂本教授。もう新たな曲を聴くことができないのが残念でなりません。ご冥福をお祈り致します。

2023/08/17

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