ハリネズミは月を見上げる (新潮文庫 あ 65-4)
ハリネズミは月を見上げる (新潮文庫 あ 65-4) / 感想・レビュー
フジッコ
様々な言葉の暴力の形。言葉は危険物、扱い方を間違えると、人一人を抹殺してしまうくらいの破壊力あるのに、誰もその事が分かっていない、考えて言葉を発していない。それはとても怖い事なんじゃないかなぁ。でも、自分ももしかしたら、何気なく言葉を発して人を傷つけているのではないかと考えると、立ちすくんでしまいそうになる。 難しいけど、無関心でいてはいけない大切な問題。あさのさんは、分かりやすい丁寧な文章でそれを教えてくれました。ありがとうございます。
2023/05/07
kuma suke
大人たちの問題に正面からぶつかる主人公たち、えらいな…。大人になると目をそらしたり、ごまかしたり、そんな技ばかり身につけちゃうよな。
2023/07/24
Hideo Itoh
紛れもない「青春小説」なので、68歳のじぃさんが感想を述べるなんて見当違いもはなはだしいのだが一言だけ。まわりからハブられたり、苛められたりしないよう、じぶんのホントの気持ちを封印して窮屈な生き方をしている中高生に是非とも読んでほしいとだけ書いておこう。あ、おとなになってもあるか・・・こういうこと。
2023/07/21
あんこ
久しぶりにあさのさんの本を読んだ。すっと心に入ってくる言葉が好きだ。大人の問題も子供の問題も、目に見えない暴力はなくならないし、きっと本当の意味での解決なんてしないだろうと思う。でもこの二人は出会えて良かった。このテーマで書いたのは、あさのさんが言葉を扱う作家という立場だからなのかな、と思ったりした。意気込んで感想を書こうとすると、綺麗事を並べることしかできなくなりそうなのでうまく言葉にできないけど、私はこの本が学校の図書館に置かれていたらいいなと思う。
2023/07/20
Koji Hozumi
自分の感情をうまく言葉にできない主人公。そこへ現れた、自分の意見を、歯に衣着せぬ言い方をするため、孤立している少女。相反する、互いの性格に影響を受け、新たな一歩を踏み出すために必要なモノに気付く。ただ、それは簡単なことではなかった。 この話から、人の弱さとは何かを突きつけられる。力関係の中で生まれる、弱者への様々な暴力。そこから、生み出されるものは何もなく、結局心の傷を、互いが背負うことになる。生きていく中で、自分自身をどうコントロールしていくか、主人公の心の動きから、感じ取って欲しい。
2023/07/02
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