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青春ピカソ (新潮文庫)

青春ピカソ (新潮文庫)

青春ピカソ (新潮文庫)

作家
岡本太郎
出版社
新潮社
発売日
2000-06-28
ISBN
9784101346212
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青春ピカソ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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れみ

岡本太郎さんによる、ピカソ作品との出会い、ピカソの足跡と芸術性についての考察、ピカソとの対面、対談の様子をまとめた本。私のなかにある岡本太郎さんって、子どもの頃に見たテレビで「爆発だ!」とか言ってるちょっと面白いおじさんという感じだったけど、作品や人柄が分かるものに触れる機会が増えるにつれて変わってきたんだけど、この本を手に取ったことで、内容的には難しい部分もたくさんあったものの、文章による表現力とか芸術に対する思いとか、新たに知ることができて良かった。

2018/12/23

chimako

そこにあるものを一度バラバラにして組み立て直したようなピカソの作品の数々。子どもの頃に観たそれらは全く上手いのか下手なのか分からない、理解の範疇を越えたところにあった。学生のとき、美術館でピカソのデッサン(生)を観たことがある。これがどうしたらあの絵になるのか……天才は分からない……それが感想だった。岡本太郎もまた天才だった。ピカソの素晴らしさに居ても立ってもいられないのが伝わってくる。気さくなピカソと真剣な太郎の逢瀬の場面をもっと読んでみたかった。太郎の喜び溢れる心情も。

2018/04/09

s-kozy

素晴らしい。岡本太郎によるピカソ礼賛の書。「天才は天才を知る」とはこのことかと思う。二人とも瑞々しく先鋭的な感性を持ち、感じたことを絵や造形にして表現することができたんだなぁ。岡本太郎がピカソの偉大さを紹介することによって、実は「なぜ芸術家・岡本太郎が存在するのか」が分かるようになっている。つまりこれは「青春ピカソ」というタイトルの「岡本太郎の青春」なのだろう。太郎がピカソに会いに行く章は実に感動的。

2018/03/30

なる

岡本太郎に対しての印象はとにかく「GJTHBKHTD」と語るインパクトの強い人、というイメージを個人的に持っていた。アクの強い両親の元で独自の感性を爆発させて、理論的というより感情で作品を作るという感じだろうか。世間一般の言葉とか通じないような。それが本書を読んで全く誤っていたことを思い知らされる。ピカソの作品に出逢ってからの自身の作風の確立、ピカソへの挑戦、といったアンビヴァレントな感情が余すことなく「理知的に」綴られていて、一種のピカソ論とでもいうべきだろうか。後半のピカソとの対面もまた微笑ましい。

2022/01/04

けいご

何に対しても表面上の否定する事は簡単だ。ただ本当に目の前の事を破壊して乗り越えて行く為にはまずはしっかりと呑み込み、それから否定しなくては本当の意味での破壊にはならない。本当に重要なものはたとえ破壊したとしても後でチラホラと見え隠れするものだ。破壊し、そして再構築していく工程を重ねていく作業は人類の歴史そのもので、それは別の言葉に置き換えると「生命の爆発」。ピカソを壊し新たな未来を築き上げる工程は「青春」であって、そこには表面上の取り繕いはいらない。何故なら「青春」なのだから。と言われた気がする1冊★

2023/05/28

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