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ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)

ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)

ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)

作家
京極夏彦
出版社
新潮社
発売日
2019-02-28
ISBN
9784101353524
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ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ぶち

読んでいる間、ずっと感じていたのは"仏教の解説書をよんでいるようだ"という感覚。主人公が語る内容、胸の中で思っていることは、まるで仏教の "空" の思想にそっくりです。でも、それらの字面が仏教的でも、やっていることは少しも仏教的ではありません。大乗仏教のキーポイントである衆生を救う菩薩、あるいは慈悲というものを微塵も感じられないのです。まさに、タイトルの "ヒトでなし" そのものです。ストーリー自体は、著者の特色がよく表れた面白いものです。今後どう展開するのかと、続きが読みたくなります。 次は"胎蔵界"?

2020/01/24

chantal(シャンタール)

「無無明亦無無明尽」京極さんはこの極意を悟っているとしか思えない。捨てるべき煩悩もなければ取るべき悟りもない。従って厭うべき娑婆も無ければ往くべき浄土もない。これは般若心経の小説版だ!何もかもを失い、自分はまともな感情も持てない人でなしだと気付いてしまった慎吾は、そうしたいわけでもないのに、いつの間にか問題を抱えた人たちに心酔され救う羽目に。慎吾の言う事は一々正論だが、感情を持つ人間である私には素直に受け入れる事が出来ない。苦しみたくなければ人でなしになるしかない。でも、私はそれでも人間でいたいと思った。

2019/12/29

南雲吾朗

0.7京極(約700ページ強)の小説。京極氏の小説としては薄い方であり読み易い。人でなしという割にはかなり道徳的な一面もちらほらみられるが、そんな小さなことを凌駕する奇抜な思想が溢れている小説。人でなし、つまり人でないモノと言う発想は、いかにも京極氏らしい。人でなしっぷりは兎に角凄い、圧巻である、最後は感動してしまうほど、達観している人でなしである。喜怒哀楽、全てを超越?(あるいは放棄)した存在は、そのすべての感情を深くまで知っている京極氏であるからこそ描けるのだと思う。京極氏の小説にハズレは無し。

2019/04/15

Kazuko Ohta

平成最後の平成最後のって皆うるさいねん!と思いながら、積読の山から平成最後に読む本を選んでいる自分がいます(笑)。無理やり貸されることがなければ手を出すことがなかったであろう京極さん。娘を亡くして妻に離婚を言い渡され、全財産を取られた挙句、仕事もクビになった男の言葉が、妙に心に刺さります。とはいうものの、禅問答のような、屁理屈のようでもある770頁超だから、京極さんを初めて読む人には薦められない。平成に京極さんにくすぐられた人でなければツライのじゃなかろうかと思います。ヒトでなしも悪くはないかもしれない。

2019/04/30

白いワンコ

謎やトリックはなく、難解でもない。774頁、ただヒトでなしの心象が描かれる。これは作者の仏教解釈をものした作品なのだと思う。「あるものをあるがままに受け入れる、それだけである」あるがままに。それは諸行無常。All is vanity

2019/03/28

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