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拉致と決断 (新潮文庫)

拉致と決断 (新潮文庫)

拉致と決断 (新潮文庫)

作家
蓮池薫
出版社
新潮社
発売日
2015-03-28
ISBN
9784101362229
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あらすじ

恋人と語らう柏崎の浜辺で、声をかけてきた見知らぬ男。「煙草の火を貸してくれませんか」。この言葉が、〈拉致〉のはじまりだった――。言動・思想の自由を奪われた生活、脱出への希望と挫折、子どもについた大きな嘘……。夢と絆を断たれながらも必死で生き抜いた、北朝鮮での24年間とは。帰国から10年を経て初めて綴られた、衝撃の手記。拉致の当日を記した原稿を新たに収録。

拉致と決断 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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月六

「絶望に陥っても、それよりさらに絶望的な状況を想定しながら自分を慰めようとする、この習慣は、拉致されてから身についたものだった」■北朝鮮に拉致され、帰国を諦めて暮らした蓮池さん。述懐の端々にやりきれなさを読み取り、被害者の夢や絆をたち切る拉致の罪深さを感じた■一方、市井の人々の暮らしぶりを詳しく描写しているのが新鮮だった。北のイメージに厚みが出て、「国民と指導部を分けて考える」ことが、やっとできそうだ■北での暮らしでも、人々との交わりはあったはずだ。「拉致」と「決断」で蓮池さんは二度、絆を失ったんだろう。

2018/08/25

テディ

「半島へ、ふたたび」に続き2冊目。拉致被害に遭った時の描写、北朝鮮に渡って以降生活、日本への帰国そして現在が客観的に書かれている。壮絶な人生を送ったにも関わらず蓮池さんは苦しみを乗り越えて置かれた環境に適合してきた生きてこられた事が伝わった。北朝鮮の貧しい過酷な環境もそうであるが何よりも言論統制の中で心を見せられず偽った気持を表さざるを得ない窮屈な生活が真の人権侵害に思えた。現地の人との交流、農地と食べ物を捨てる日本社会の罪悪を指摘している点等は、読みながら救われた箇所であった。世界の人にも読んでほしい。

2016/08/11

James Hayashi

自分を著者に置き換えて読んでみたが、24年間という閉ざされた時間にとても耐え切れなかっただろう。先に幾つかの著作があるため、拉致の真相や政治的背景、国際関係などはほとんど触れられず詳細が省かれているように感じたが、実際は残された拉致被害者を考慮されているため、真髄は書かれていないようだ。しかし家族を守るため北朝鮮に従順していると見せかけていた様子や監視された生活が描かれた生活実態の記録であり心情の変化の記録。著者の苦労も伝わってくるが、北朝鮮の疲弊した国民の思いも感じる事ができた。

2017/04/13

やじ

拉致された「その日」を克明に記した新原稿を収録(帯より)‥恐ろし過ぎる。こんな風に突然人生を奪う国が隣にあったのだ。言葉を選びつつ、北朝鮮での生活を淡々と綴った本。失礼ながら、ほとんどが退屈な内容。とても悲しい。それが蓮池さんの24年だったのだから。一生日本に帰る事はないという諦めの中で、家族を守る為だけに毎日を過ごしたのだ。この本を読み、北朝鮮の人々も彼の国で一生懸命生きている事がわかった。まだ帰れない方々が大勢いらっしゃる。北朝鮮、いい加減にしろ、日本人を返せ。

2015/05/16

佳乃

拉致されてからの24年間はとても長く、二度と日本には帰って来れないと思いながら過ごしたことだろう・・・と。また、自身のこと、まだ北朝鮮にいる拉致被害者たちのこと、そして、北朝鮮とはどういう国かということ。第三者の目で冷静に語るのにはまだまだ、時間は要したことでしょう。こうして日本という国にいても当たり前のことを当たり前と捉えずに「感謝」の心を忘れずにいなければと思えてならない。まさか自分が・・・という事態になるかもしれない。それにしても北朝鮮の実情は知れば知るほどに自国でなくてよかったと思えてならない。

2018/04/17

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