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家族依存症 (新潮文庫)

家族依存症 (新潮文庫)

家族依存症 (新潮文庫)

作家
斎藤学
出版社
新潮社
発売日
1999-04-26
ISBN
9784101442211
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家族依存症 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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みゃーこ

「他人の操縦にかまけて被害者になる代わりに、さっさと自分が幸せを感じる時間と空間を作り出せば夫や子供の側の依存症を矯正させることにつながる」のに。それができない共依存を諸悪の根源と見なしてきた依存症を取り巻く家族の環境システムを見直し、その背景にある人に愛されたい、必要とされたいという欲求が満たされたときしか自分の存在をクッキリと把握できない闇が潜む。友に依存する二重単位のわだちがある。1.5人関係の中の共依存から自立を目指すことから各人の情緒的な発達、健全な関係の在り方が始まるのだ。わかりやすい語り口。

2015/06/27

いろは

アルコール、薬物、食事、セックス、ギャンブル等への依存症のメカニズムを紐解いた作品。そういった依存症の原因は寂しさや渇望から生じるとあるが、それなら、私は依存症の一方手前かもしれないと思った。なぜなら、私も孤独を嘆き、今に、そして、将来に渇望しているからだ。それにしても、私は、「良い子」でなくて良かった。私の親戚は皆良い子であるから、自分が良い子でないことに今までとても劣等感を感じていたが、24才、無職、独身、実家暮らしで親にバリバリ甘えながらも、趣味に興じながら実家らしく生きるのも、悪くはないと思える。

2018/12/21

ひと

息子が家を出るという区切りを迎え、家族関係をもう一度見直してみたいと手に取りました。自分の不幸をごまかして、子供の成功や成長に依存していないか? 自分の幸せは自ら見出し、「現実検討の能力」「衝動をコントロールできる能力」「自分を肯定できる能力」「人と共感できる能力」を備えた大人になりたい、子供たちにもこれらの能力を備えてもらいたいと思います。親離れよりも子離れの方が難しそう… 子離れができれば、子供の方は苦労なく親離れしてくれるのでしょう。家族のみんながそれぞれ幸せを感じながら暮らしてほしいですね。

2016/03/24

テツ

家族の縁が薄いので、親子や兄弟関係にドロドロモヤモヤを抱えながらも「家族だから断ち切れない」という苦しみが昔からいまいち想像も理解もできない。嫌ならつきあいをやめればいいのにという全ての他人に対するスタンダードな考え方も何故か家族には無効になりがちなのだ。どんな関係性であれ他人には変わらないのだから期待だの執着だのを必要以上に抱かない方がいいということも同じ。ぼくはおそらく『家族』というものの良さも悪さも全く理解していないのだろうし、それを理解することもないのだろうなと、読み終えて疎外感を抱く。

2024/03/12

にしの

言葉が古い部分もあるが、基本的な内容は納得できるし、著者たっての希望だというおかべりかのイラストがすごくよい。(幼少期に読んでいた「よい子への道」を思い出した…。)わりと摂食障害の記述が多く意外な収穫でもあった。自殺の性差はどこの国も共通して男性が女性の倍〜四倍ある。これはコミュニケーション能力の問題であり、「死にたい」と苦悩を口にできる能力が生き残り(サヴァイヴ)のためには必要という。筆者は精神療法者として能力がある人だと思う。患者の病態の奥の「健康なエネルギーの表現」を見出すことこそ治療者の役割。

2020/11/18

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