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水いらず (新潮文庫)

水いらず (新潮文庫)

水いらず (新潮文庫)

作家
サルトル
伊吹武彦
窪田 啓作
白井浩司
中村真一郎
出版社
新潮社
発売日
1971-01-30
ISBN
9784102120019
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水いらず (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ω

「壁」と「エロストラート」が好きω 「壁」なんて、分かりやすくハラハラする物語だけどその主題は、夜明けと共に処刑場の壁の前に立つ死刑囚の、実存哲学でいう限界状態とのこと…('ω') 「エロストラート」はサルトル曰く「犯罪による人間的条件の拒否」が主題。そう言われましても…って感じだけど、読んでみたらライトな短編でスラスラ読めて、妙に分かった気になるww

2022/08/12

おっしー

全五篇の短編集。本屋でなんとなく目に止まった作品。哲学者とか思想家と呼ばれる人の読み物なので、理屈ぽいのかなと思ったけど案外そんなこともなく。自己の精神に対してストレートに言葉を紡いでいる印象。ただとんでもなく心の深い場所で自身を見つめているので、頭痛くなる感じ。個人的に「部屋」が割と話を理解しながら読めた気がする。正常と異常の境って一体どこを指しているのだろうかとか、自分をどこに位置付けるべきなのかとかそういう屈折した感情を行ったり来たりしながら読んだ。実存主義とは一体…と沼が深まってしまった気もする。

2022/08/28

Vakira

映画「シークレット・オブ・モンスター」を見、その原作が「水いらず」に収録されている「一指導者の幼年時代」という事を知りその中編のみ再読してみた。以前読んだのに記憶なし、新鮮に読めた。この作品が原作でなんであの様な映画になったのか?映画のストーリーとは異なる展開。やっぱ原作の方が断然面白い。映画は別の話だ。リュシアンの成長物語自体面白いのでストーリーを追ってしまう。普通に悩める少年~青春物語。実存主義の実験作品なのだろうか?自分が存在する権利の発見。覚醒によって少年時代の終わりを告げる。

2016/12/11

阿呆った(旧・ことうら)

[再読]◆[水いらず]他短編集。実存主義哲学者サルトルの文学作品 ◆[壁]は特に完成度が高いと思う。[水いらず]が一番読みやすい。◆ 理性的な判断に先立つ、剥き出しの存在そのものである主人公達は、時に不合理に思える選択をする。物語としてはそこで途切れるが、重要なのは、その無分別に見える「選択後」だ。馬鹿らしい行動への嘲笑が終わったところから、サルトルの思想展開的な、本当の物語は始まるのだと思う。◆大江健三郎さんなど彼に影響をうけた日本人作家は多い。現代思想上でも重要な彼の作品は、読んでも損はないと思う。

2015/11/04

tom

少し前に筒井康隆の「唯野教授」を読んだ。その中にサルトルが登場した。その記憶があり、図書館散歩をしていて目に入り、借りて来た。50年も昔、サルトルが流行っていて、私も流行に乗ってこの本を手に取り、あっという間に投げ捨てたはず。そして今になって読んでみて、この本は高級ポルノだと思ったの。露骨ではないけれどセクシャルな風景多々。出版は1930年代、日本での翻訳は昭和20年代、インテリ顔をしたお兄さんたちが喜んだのかもと思いながら読了。小説として面白いかどうかはかなりの疑問。ちなみにこの本キリ番3800でした。

2023/02/11

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