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素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

作家
フィリップ・ロス
中野好夫
常盤新平
出版社
新潮社
発売日
2016-04-28
ISBN
9784102200414
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ジャンル

素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

個人的にアメリカ野球と言うと、連想してしまうのが映画『イングロリアス・バスターズ』の「ユダヤの熊」ドニーによるスーパーボールである。この小説でもアメリカ野球の一軍を通してのアメリカの闇をブラックな笑いで抉り出してくる。スキャンダルだらけなのに一番、大出世したギル・ガメッシュ、全然、名前通りじゃないフェアスミス、搾取され、腕を壊されるメキシコ選手、道化として対等に扱ってもらえない侏儒、赤狩りと暗殺の匂いなどのクレイジーさ。 注釈の豊富さにしても、もしかすると『青白い炎』に匹敵する怪作ではないかと思います。

2017/11/04

ちょき

村上・柴田だからといって、全ての本が楽園であると思ってはいけない。かなりアメリカ文学に精通してない限り本書は愛せないかもしれない。言葉遊びが過ぎるのだが、翻訳者がそれに輪をかけてぶっとんでいるのでただ記念碑的に村上・柴田が残したかった本ということか。一応それなりにストーリーも用意されているが、これを楽しめるかというと、どちらかというと「辛さ」が先に立ってしまう。作品の存在そのものが風刺なので内容なんて忘れて良いと思う。これから読もかどうか迷ってる読書家さんには『覚悟しなさい!』とだけ言っておく。

2016/09/25

Y2K☮

著者初読み。攻撃中ベンチで延々寝てる52歳の三塁手や綽名にこだわり過ぎて「ニックネーム」と呼ばれる14歳、フライを追うと必ず塀に当たる左翼手、投げる度に「いてえ!」と叫ぶ関節炎の投手など多彩過ぎる選手が集うホームグラウンド無き架空球団の旅路。町田康を知った時以来のほろ酔い。「アメリカ文学最凶の悪ふざけ」と評されてるが、これを一見スタイリッシュなシリーズにしれっとぶち込む村上&柴田両氏こそ確信犯的な悪ふざけ(笑)ユーモラスな中にも体制への憤りに満ちた猛毒風刺が効いてるからこそ。難解で笑える何でもOKの妙味。

2016/06/01

ヘラジカ

<はじめに言葉ありき。その言葉は『プレイ!』>フィリップ・ロスの作品を読むのはこれで5冊目だが、堅苦しい作品ばかりだと思っていたロスにこんな小説があるとは正直とても驚いた。ちょっと面白すぎるくらいに面白い。本を読んでいてこんなに笑ったことがあったか分からないくらいだ。とてもとてもあの堅実な傑作『ヒューマン・ステイン』を書いた作家の作品とは思えない。素晴らしいアメリカの野球についての小説でありながら、「偉大なるアメリカ小説」の一冊として文学史に残るのは間違い無いだろう。ブラックユーモア小説の金字塔。最高。

2016/05/01

ツバメマン★こち亀読破中

まず、こんな異色作を復刊する出版社は凄い。この約600ページはただの悪ふざけか?それとも緻密な計算なのか?…かつて大リーグにはナショナルリーグ、アメリカンリーグとともに“愛国リーグ”が存在した。中でもルパート・マンディーズ球団は異色の球団だった。片足、小人、老人、アル中など様々な選手たちやオーナーが繰り広げる騒動、そして最期にはまさかの展開が!「おいっ!アメリカ人っ!たいがいにせえよ!」と突っ込まずにはいられませんが、何故か読み進めてしまいます。オススメ…はしません!

2016/06/24

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