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飛び立つ季節 :旅のつばくろ

飛び立つ季節 :旅のつばくろ

飛び立つ季節 :旅のつばくろ

作家
沢木耕太郎
出版社
新潮社
発売日
2022-06-30
ISBN
9784103275220
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沢木耕太郎が「はじめての旅」で経験した「親切」とは?――最新刊『飛び立つ季節 旅のつばくろ』からエッセイを特別公開!

「旅のバイブル」の名をほしいままにしている不朽の名作『深夜特急』(新潮文庫)。その著者、沢木耕太郎氏が北へ南へ、この国を気の向くままに歩き続けた「国内旅エッセイ集」、『飛び立つ季節 旅のつばくろ』(新潮社)の中から、極上のエッセイを一篇お送りします!

『飛び立つ季節 旅のつばくろ』(沢木耕太郎/新潮社)

*   *   *

旅のリンゴ

 旅先で出会う人には、「善い人」もいれば「悪い人」もいる。でも、どちらかといえば「善い人」の方が多いと思う。いや、もう少し大胆に言ってしまえば、私は「悪い人」にほとんど遭遇したことがない。そう、私は、旅における「性善説」の持ち主なのだ。

 十六歳のときの東北一周旅行では、上野から乗った奥羽本線の夜行列車を秋田駅で降りた。

 降りた私が、どのような行動をとったのかは覚えていない。いずれにしてもどこかで朝食をとったと思われるが、駅によくあるような立ち食いそば屋に入ったのか、売店で菓子パンでも買って食べたのか。

 わかっているのは、その朝、秋田駅から男鹿半島の寒風山に向かったということだけだ。

 しかし、情けないことに、何という名の駅…

2022/6/30

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飛び立つ季節 :旅のつばくろ / 感想・レビュー

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starbro

沢木 耕太郎は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」に連載されていた旅のエッセイ集、『旅のつばくろ』シリーズ第二弾です。何作かはリアルタイムで新幹線の中で読んでいます。改めて纏めて読むと、コロナ禍の今は尚更旅情をそそられます。著者は不便な場所でもレンタカーを使いませんが、これは拘りなのでしょうか❓ 第三弾も出版されるようなので、シリーズ全作完読予定です。 https://www.shinchosha.co.jp/book/327522/

2022/08/07

あすなろ

旅のつばくろシリーズ2巻目。記憶が正しければ今回からは書き下ろしかな。前巻は確かJR東日本の冊子連載の収録だった筈。よって東北だけでなく南方面の旅も収録。相変わらず旅情感誘なう名エッセイ達。そして、井上陽水氏等魅惑的な登場人物もサラリと交え、休日初日の早朝に読む本としては最高であった。旅先に心残りを作る事は悪くなく、そこに心残しておけばいつかまた訪れる事が出来、残した心を回収する事が出来る、これが今回の大きなテーマだと捉える。そして、コロナ禍を少し混えて。僕はこれだけ年中旅をしていてもまた旅に出たくなった

2022/09/11

ぶち

【秋なので今月も旅の本月間】 前作と同様に、すっきりとしていて品がある文章で、旅情を掻き立てられます。北斎の版画に描かれた滝を探しに行く旅行、江戸時代の随筆に触発されて三番町から九品仏までの徒歩旅行、若い頃の旅の記憶から抜け落ちている場所を再び訪ねてみる旅行....どの短編も素敵な旅ばかりです。私も沢木さんの旅をヒントに旅に出てみたくなりました。コロナという感染症対策には私たちも充分に配慮できるようになったと思います。沢木さんが仰るように自らの責任で自らの行動を決する旅に飛び立つ時期なのかもしれません。

2022/10/02

KAZOO

沢木さんがある宣伝用の冊子に連載されたものをまとめたものでその第二弾です。ですので鉄道や各地のことが非常に読みやすい文章で書かれています。特に印象に残ったのは小沢昭一が書いた「東海道ちんたら旅」に触発されて沢木さんも「横須賀線ちんたら旅」を書く日のために衣笠駅に行ったと書かれているところです(まあ私の親せきがいた所なので)。また「黄金の刻」とその続編も印象に残りました。

2022/09/11

fwhd8325

若い頃、沢木さんの作品に出会っていなかったら、こんなに読書が好きになることは無かったかもしれません。そして、一人で行動することの楽しさも教えてくれたと思います。先日、ラジオのゲスト出演をされていたとき、相変わらず若々しい語りにうっとりしました。そして、このエッセイ。やはり、沢木さんはエッセイなんだ。旅先で同じ店に続けて通うは、私自身も経験していて、何だかウキウキしました。

2023/05/17

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