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流転の海 第8部 長流の畔 (ちょうりゅうのほとり)

流転の海 第8部 長流の畔 (ちょうりゅうのほとり)

流転の海 第8部 長流の畔 (ちょうりゅうのほとり)

作家
宮本輝
出版社
新潮社
発売日
2016-06-30
ISBN
9784103325185
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流転の海 第8部 長流の畔 (ちょうりゅうのほとり) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

宮本輝が描く父の物語も もう8部。 35年にわたるこの物語も次巻で終わりなのかと いう感慨を込めて読んでいた。 熊吾の豪胆さと弱さはひどく昭和的で 懐かしい..房江、伸仁、博美..それぞれの人生が どうなっていくのか.. 物語の底に流れる、自分ではどうすることも できない「人間の業」の ようなものが垣間見られて 宮本輝作品らしく、 東京オリンピック前後の昭和の香りも 郷愁を誘う 心落ち着く 穏やかな巻だった。

2016/12/11

ケイ

作者による後書きを読んで、なんと連載開始から35年以上経っていることに驚いた。私は4年前からの読者で、それでもこの新刊を待ちわびていたのというのに。登場人物の名前とイメージを決して忘れさせない強い作品はそうはないが、ここに出てくる熊吾はまさにそういう男だ。彼の若い頃の武勇伝をよく覚えている。最高潮の時は第1巻で、気付けば緩やかに下降していく彼の運を見ていたような気がする。彼にたかって甘え、平気で裏切る者達が多すぎる。それを見るのが辛く、最終巻はもう読まなくてもいいかなという気がしてきてしまった。

2017/04/09

starbro

宮本輝は数十年にわたってコンスタントに読んでいる作家の一人です。初巻以来35年間読み続けている大河小説「流転の海」シリーズも遂にラス前となりました。松坂熊吾は益荒男だと思いますが、67歳になっても何て脇が甘いんでしょうか?それが魅力の一つでもありますが・・・そんな熊吾に惚れきっている房江が愛おしい。本当に死ななくて良かった。本巻は1964年の東京オリンピックまでです。まだ私は誕生していません(笑)最終巻9巻で、著者は松坂熊吾のどんな死に様を見せてくれるのでしょうか?二、三年後?が大変楽しみです!

2016/08/05

あすなろ

宮本氏のあとがきが、本シリーズの今日に至るまでの35年を総評している。運、意志、死、失敗、挫折。縷々と綴られる熊吾達のそれらを共に見つめ続けてきた我々は、何を同床異夢としてきたのか?そうした流れの彼方にある筈の、目に見えない未来で燦然と輝く生を見つめ続けてきたのであろう。35年と9巻を経て、宮本氏は何を我々に見せてくれるのか?燦然と輝く生の果てを見たい気も見たくない気もする。拭い去れない手がかりは、何人たりとも避けて通れぬ老いたる肉体というところか。

2016/10/05

いつでも母さん

やっと熊吾の年代に実際の私の記憶が追い付いてきたと思ったら、いよいよ次巻で大団円なのか。嗚呼、待って待っての『流転の海』だったがあと一巻かと思うと今からもう寂しい。熊吾の人生はまさしく流転の海だったのだろう。係わった全ての者を巻き込んで虜にして。だが、松坂房江の人生を思うと同じ女として心は知々に乱れる。房江の人生とはと思うと遣る瀬無いのだ。そして母としてあの両親を親に持つ息子・伸仁の心にも寄り添ってしまうのだ。嗚呼、それでも私は熊吾を見捨てられない。次巻完結を心待ちにしたい様な、したく無い様な・・

2016/07/31

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