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カネと共に去りぬ

カネと共に去りぬ

カネと共に去りぬ

作家
久坂部羊
出版社
新潮社
発売日
2017-11-22
ISBN
9784103358725
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「カネと共に去りぬ」のおすすめレビュー

超絶危険!! 劇薬医療現場短編集-医師と小説家の顔を持つ久坂部羊が、ドス黒いメスで医療のリアルを抉り出す!

『カネと共に去りぬ』(久坂部羊/新潮社)  医療の現場というものを、私たちは実はよく知らない。「医療技術の躍進は目を見張るもので、これから役に立つだろう」…どうやら確かにそうらしい。でも、我々はもっとも身近な医療の現場を、ほとんど知らない。自分や身内がいつかお世話になる可能性は、ほぼ100パーセントであるのに、だ。しばしばテレビの特集で目にする先進医療の研究なんてものは、いわば医療業界の“キレイな”一面に過ぎない。「それなら現場の医師に訊いてみればいいじゃない」という方には、こう訊き返したい。「あなたは、自分がやっとの思いで手に入れた職業や職場の現実を、不都合な真実もすべてひっくるめて人様に言えますか?」と。

『カネと共に去りぬ』(久坂部羊/新潮社)は、医療の現場の“キタナイ”一面を恐れることなく大胆に切り抜いた短編小説集だ。作者は、医師であり小説家でもある久坂部羊。医療に従事する傍ら、2003年に『廃用身』で作家デビュー。以降、医療の現場を抉る衝撃作を次々と発表し人気を集めている。一般的にはエンターテインメント作家として扱われがちな著者だが、…

2017/12/14

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カネと共に去りぬ / 感想・レビュー

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starbro

久坂部羊は、新作中心に読んでいる作家です。題名はパロディながら、内容は医療シリアス・ブラック・ホラー連作短編集でした。オススメは『医呆人』と『予告された安楽死の記録』です。認知症になったら、安楽死したいと思う今日この頃です。

2018/01/24

いつでも母さん

パスかな・・と思っていたのにやっぱり手にした。久坂部さんの名作パロディ集7編。流石は久坂部羊!どれも医療関係で楽しく?そして、ちょっと複雑な気持ちになりつつ読んだ。特にタイトル作のラスト『ーああ、紅子のようになりたい・・』完全に認知症になった紅子を羨ましく思うのが切実過ぎる。次は『廃用身』や『無痛』のようなのをがっつりと読みたいと思うわがままな読者の私だった。

2019/07/03

とん大西

面白かったです。ブラックな読み味の中に洗練された小気味良さがありました。七つの短編は医師や患者の笑うに笑えない矛盾と欺瞞のオンパレード。上手いよね、ツッコミどころが。とりわけ認知症を題材とした「アルジャーノンにギロチンを」は秀逸。自分が自分でなくなる…オチに向かって収束していく憐れと恐ろしさがお見事です。

2021/06/06

モルク

名作をもじった7編のパロディ短編集。久坂部さんならではの医療ブラックユーモア。「医呆人」本音で生きていると言えば聞こえはいいが、こんな価値観の医者にあたりたくもないし、男としてもつきあいたくない。表題作「カネと共に去りぬ」高級有料老人ホームを舞台に美しく気位の高い小原紅子、髭の列戸馬虎、銀髪の紳士明日礼とその妻女良(修道院にいたことから女良尼と呼ばれる)と、名前ですでにププッ。でも内容はなかなかシビア。全編延命治療の悲惨さが流れていた。そうなのか。私は痛みさえとってくれたらそれだけでいい。

2020/04/13

milk tea

タイトルはパロディ、内容は医療をテーマにしたブラックユーモア。今は元気だから読めるけど、病気になったら笑いながら読めないかも。医者でも呆ける。時間は止められない。自分ではどうしようもなくなる時が来るのかと思うと不安。なんて書きながらも、じっくり長編が読みたい。

2019/08/08

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