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野火の夜

野火の夜

野火の夜

作家
望月諒子
出版社
新潮社
発売日
2023-02-20
ISBN
9784103521921
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野火の夜 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

血塗れの旧5000円札と一人のジャーナリストの溺死事件。これがどこでどう絡んでどんな結末を迎えるのか‥と思ったら、あらあら戦中戦後どころか百年の恩讐、壮大な人間ドラマだった。はぁ。溜息しか出ない。望月作品は毎回手強いが、本作も読み切るのに時間も気力も必要だった(汗)それにしても木部美智子が凄過ぎる!

2023/03/20

パトラッシュ

血に汚れた大量の五千円札が自販機で使われた事件を発端に不審死が相次ぎ、謎を追うジャーナリスト美智子の前に戦時中までさかのぼる黒歴史が絡んだ因縁が浮かぶ。カネ絡みの欲望と臭い物には蓋をする田舎の濃密な人間関係が重なった場所にいた三人の子供は、腐臭に耐え切れず暴発したり自らを傷つけてしまった。根っからの悪人はおらず、苦しみの蓄積や一時の衝動から犯罪に走ったのだ。真犯人は人の心の弱さだと明らかになり、美智子は人は地球の支配者ではなく肉の塊でしかないと思い知らされる。久しぶりに動機の重いミステリに心揺さぶられた。

2023/06/11

のぶ

木部美智子シリーズの新作なのだが、もう第6弾にもなるそうです。描かれた環境が壮絶だった気がした。物語は血が染みこんだ20年以上前の五千円旧紙幣が、銀行両替機、自動販売機から大量に発見されるところから始まる。殺人事件に絡むものかもしれないそんな紙幣が、何故今頃になって姿を現したのか?一方で、あるジャーナリストの溺死事件、例の五千円札に関わる人物が遺体で発見されるという事件が発生する。この先、思いもしない方向に展開していく。プロットが複雑に絡んでいてやや分かり難かった気がしたが、衝撃作だと感じた。

2023/03/13

ゆみねこ

血塗れの旧五千円札が次々に見つかり、大量に両替していた人物が見つかる。時を同じくして一人のジャーナリストが大雨の中、川に転落死する。2つの事件はどうつながるのか?ライター・木部美智子は、ふとしたきっかけで取材するが、愛媛の田舎で起きた25年前の事件に行き着く。更に戦中戦後の悲劇が絡み複雑さが増すことに。真相が明らかになるまで一気に読めたが、切なくて悲しい事実だった。木部美智子の取材力、恐るべし。

2023/04/09

itica

血塗られた五千円札が出回ったことで、二十五年前のある忌まわしい事件に木部美智子が肉薄する。終戦直後にまで話は及び、そこまで辿るのかと驚いた。壮大すぎて多少、焦点がぼやけた感は否めないが、終戦直後の満州での混乱ぶりには鬼気迫るものがあった。ただ、文章が読みにくく私とは相性が合わないのかもしれない。

2023/03/25

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