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日本小説技術史

日本小説技術史

日本小説技術史

作家
渡部直己
出版社
新潮社
発売日
2012-09-28
ISBN
9784103860020
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日本小説技術史 / 感想・レビュー

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しゅん

日本近代小説の胎動(に取り憑く滝沢馬琴の亡霊)から横光『純粋小説論』までの50年を、「心情」や「社会の反映」といった曖昧で副次的な概念から切り離して、「技術」の一点から貫く大著。因果律の近代化に腐心する男性作家を尻目に一葉が因果をあっさり裁断する、その鮮やかさを細部まで確かめる三章の論が一番切れていたような。時系列が急に入れ替わる秋聲の後説法も興味深い、というか好きな作家なのに意識せずに読んでいたなぁ。「事件は、ここでも、小説という名の現場でしか起こらぬのだ」と急に青島警部が出てきたのはちょっと笑った。

2017/05/16

なめこ

こんなに使える本はない!とはいえ、とても一度読んだだけで使いこなせるような代物であるはずもなく、著者が好んで(?)用いる言い方をすれば、この本に書かれていることを自家薬籠のものとするためには、途方もない鍛錬が必要だろう。

2016/03/11

けいこう

第七章の「現実の他のさまざまな局面においてもそうであるごとく、どれほど驚嘆にあたいしようとも、それがかりにわれわれの生の「歓び」に背くとしたら、技術に一体いかなる意味があるのか」からのラストには、泣く。ってか笑う。様々な技術の読み込みや数字がどうのこうのというのについて、著者の他作を読んでも、ポカーンとなってしまう阿保である僕なのだけど、技術論ではなく技術史なだけに、えっちらほっちら論を追っていくだけでも楽しい。でも、それだけにしちゃあ長いし気合いも入ってるわけで、耽読し自家薬籠中の物にせよってか。

2017/01/15

りんご飴

大著ではありますが気にならずに読みすすませてくれました。

2014/12/13

hasegawa noboru

技術史の観点(小説の技巧の分析)から日本近代小説の主要作品をたどる。小説を書くにあたって、技術は必要条件ではあるだろう。当たり前のようで誰でもができることではない。小説を何が書かれていたかでしか読めない、私(ら)凡庸な読み手にとっても、瞠目すべき大著であることぐらい分かる。いかんせん私には秋声、横光利一、尾崎翠等読んでない作品の方が多く、難解さがつきまとうが、例えばいかにも万事にわたってそつない能吏だった森鴎外らしい、「切盛と捏造」、自己弁護(血肉レベルの保護色=対抗)ぶりの技術の章など読み応え充分。

2014/02/16

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