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をちこちさんとわたし

をちこちさんとわたし

をちこちさんとわたし

作家
小島水青
出版社
中央公論新社
発売日
2015-02-09
ISBN
9784120046957
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をちこちさんとわたし / 感想・レビュー

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なゆ

記憶のない菊は、古い一軒家に閉じ込められるように暮らしている。庭に出るのさえ、遠近(をちこち)さんに許可を求めないといけないような2人の暮らし。どう見ても監禁?軟禁?と思いながらも、謎が多くて先が気になる。結局、菊は自分が幽霊だからなのだろうと信じ込むが…。菊の目に映る庭の植物の様子や、ふっと現れる幻のような光景などの描写がとても美しい。現代なのに、ちょっと古めかしく感じさせる言葉使いや暮らしぶりが独特のムードを漂わせる。ラストは心がほんのり温かくなる。淡くて切ない幻想譚という感じがとてもよかった。

2015/07/02

ぶんこ

著者初読みです。 気持ち悪い話?かと恐るおそる読んでみると、これは究極の純愛小説か? 梨木香歩さんをあげる方もいらっしゃいましたが、私にとっては違う世界の作品でした。 ちょっと苦手。 登場人物の名前も凝り過ぎているようで違和感が拭えませんでした。

2015/11/05

カピバラ

単語のチョイスがいちいち美しいお話でした。優美で、夢を見ているような…とらえどころのない読後感。

2016/06/07

小夜風

【図書館】初読み作家さん。記憶のない菊は、自分は幽霊だから、遠近(おちこち)さんに監禁されているのだと思い込んでいるのですが……。菊の正体をあれこれ想像しながら読んだのですが、途中で何故か(あ~菊はきっと○○だ!)と判ったつもりになってしまい、その印象のまま読み進めたら見事に外れてガックシ!そのまま混乱した頭で、何かスッキリしないまま終わってしまいました。「世にも奇妙な物語」に出てきそうなお話でした。

2015/11/18

九月猫

気付いた時には遠近さんと暮らしていた菊にはそれまでの記憶がない。住んでいるのは庭に枇杷の木のある古い日本屋。奇妙な同居生活に、監禁?おゆるし?幽霊?と穏やかでない言葉。菊にだけ見える景色や、ぶいぶいさんの声。短い章立てと明かされそうで明かされない謎、少しずつ進む毎日に、飽きそうになる気持ちと先が気になる気持ちが混ざり合う。愛する者の名前を呪文に呼ばれた者は、夢のかよう道を帰ってゆく。ラストの受け止め方をどうしたものか。雨や土の匂いや湿り気を感じる日本的な描写が好みだったので、他の作品も読んでみたい。

2015/05/22

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