世界認識の方法 (中公文庫)
あらすじ
新しい歴史理念の構築を目ざす著者が、マルクス理論の有効性をめぐるミシェル・フーコーとの激論を機に、ヘーゲルから構造主義までの思想課題を検討し、あわせて自己の思索的営為のすべてを語る。
世界認識の方法 (中公文庫) / 感想・レビュー
またの名
フーコーとの対談がちょっとどうなんだと不安になるくらいすれ違ってる。80年代消費社会を目前にしてなおマルクス・ヘーゲルの歴史哲学の枠組みを持ち出しているのは時代錯誤感が否めない。追い打ちをかけるように、アジアの現状についての話も先見の明のなさが露呈している。最近のヘーゲル回帰の先駆けにでもなっていたら、せめて救いようがあるのだけど。共同幻想や心的現象など主著に関する短いコメントは参考になる。たぶんこちらの議論の方が洗練されているのだろう、興味をそそられた。
2012/12/07
yatika
はい、フーコー対談はすれ違いまくってますね。
2014/05/11
まいるど
フーコーが歩み寄りの姿勢で誠実に対応しているのに質問を無視して自分が考えたことぶちまけ放題の吉本隆明にげんなりした。そしてもちろん、こんな状態だから肝心の議論はあまり噛み合っていない。もうちょっと吉本隆明の方が歩み寄ってればもっと面白くなったと思う。全体としてフーコーはより一つの具体的なものから思考しようとしているのに対して吉本隆明は抽象的な思考へとどんどん進んでいく。だからこそ、「現実のあなたの運動は何を意図していたんですか?」という問いに吉本隆明は答えられなかったんだろうなと思う。
2014/03/28
十一
マルクス疎外として研ぎ澄まされた思考
2012/09/29
ぜっとん
フーコーとの対談が一番さくっと読めた。ちょっと基礎知識が足りない部分もあったけどおおむね面白く読みました。もうすこし勉強してみっかな。
2013/07/06
感想・レビューをもっと見る