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謙信の軍配者(下) (中公文庫 と 26-31)

謙信の軍配者(下) (中公文庫 と 26-31)

謙信の軍配者(下) (中公文庫 と 26-31)

作家
富樫倫太郎
出版社
中央公論新社
発売日
2014-05-23
ISBN
9784122059559
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謙信の軍配者(下) (中公文庫 と 26-31) / 感想・レビュー

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W-G

単体作品としては、見るべきところは一風変わった謙信像くらい。不貞腐れて出家しようとしたり、関東管領の立場を利用して国費を賄おうとする逸話は、なんか好き。それに比して、人として満ち足りてしまった山本勘助は、みるみると軍配者としての冴えを失い、下巻においては全くといっていいほど精細を欠く。そのせいで川中島の戦いが盛り下がったようにすら思える。小太郎は最後まで端役で、冬之助も主役らしい描写は一切ないままに軍配者シリーズ終幕となったが、数年後にサーガが進行した時、この一冊の重要性が再浮上することを期待したい。

2021/06/30

yoshida

遂に最終巻。第四次川中島合戦が始まる。川中島合戦での最激戦である。啄木鳥の戦法でも知られています。四郎左の性格まで読みとり武田軍の裏をかいた冬之助。霧の晴れた八幡原で布陣する上杉軍を見つけた武田本軍の衝撃。数年前の大河ドラマ「風林火山」を思い出しました。策を看破されても揺るがない晴信と四郎左主従の信頼。訪れる四郎左の最期と、千草の哀しみ、そして健気な太郎丸。泣かされる場面が続きます。ここからわずか21年後に滅びる武田家に哀しみを感じる。足利学校での出逢いから三人の生き様に感動しました。読めて良かったです。

2017/09/18

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

シリーズ三作目も、安定の面白さ。天才的な武将、長尾景虎に仕えた軍配者・宇佐美冬之助。川中島を舞台に常勝武田軍を相手に鬼神のごとく翻弄する。一代限りで武将に仕える軍配者。軍配者としての道を目指し共に学んだ足利学校で培った山本勘助との男の友情。戦場では図らずも命のやり取りを行うことになるが、絆までをも断ち切ることなどできなかったのだろう。歴史小説であるとともに、男の友情の物語でもあったと思う。

2020/07/05

再び読書

四郎左の最後がクライマックスで、この卷でも冬之助の影は薄い。また守りの晴信と攻めの景虎の対比が面白い。荒っぽいイメージで対比すると家康タイプの晴信と信長タイプの景虎とも取れる。終盤は小次郎が登場し、三部作の三人が揃ったが、やはり川中島の戦いが、クライマックスでした。上巻よりタイトルに沿った話になりました。通して景虎の変人で、天才振りがクローズアップされている。最後ので二人の軍配者を偲ぶ冬之助が締める。三部作最終卷としては微妙でした。

2016/10/15

レアル

シリーズ最終巻。この巻のメインは川中島。川中島の戦いでは、友としてよきライバルとして戦った勘助と冬之介。一見、戦国の時代小説という枠組みだが、見方を変えれば、生き死にの激しい戦国という時代の軍師としての人間味ある三人三様のお話でもあった小説のようにも思える。立場を異にしても、決して変わらない友情が心に響くそんな作品だった。

2016/01/20

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