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十六夜荘ノート (中公文庫)

十六夜荘ノート (中公文庫)

十六夜荘ノート (中公文庫)

作家
古内一絵
出版社
中央公論新社
発売日
2017-09-22
ISBN
9784122064522
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あらすじ

英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか? 遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになり――。誰も信じず仕事だけをしてきた雄哉に託された「想い」とは――? 文庫化を望む声多数! 古内一絵の人気作が登場!

十六夜荘ノート (中公文庫) / 感想・レビュー

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タカユキ

現在と過去を行き来して託された十六夜荘に詰め込まれた想いを紐解いていく物語。記憶にない大叔母・玉青から遺産をして残された古い洋館を受け取った自信家の雄哉は、現在そこで暮らす住人の夢や生活、そこを大切に守っている玉青の想いに触れ、人生の価値観が徐々に変わっていく。物語は雄哉の生きる現在と玉青の生きた戦中戦後の二つの時系列で進み、華族でありながら体制におもねく事なく自分を見失しなわず戦った玉青の想いが現在へと繋がっていく。主人公のこれから先の人生を切り開いてこう!という心構えが清々しい一冊でした。

2019/01/24

itoko♪

エリート社員大崎に、ある日突然の伯母の訃報と共に、伯母の遺産話が。それは伯母の持つ十六夜荘という古いシェアハウスだった。現代と、戦中戦後、二つの時代の物語が紡がれる。十六夜に集う人々は、今もそして過去も、愛すべき身の程知らずだ。でも皆、自分の居場所を自分で作っている、堂々と。うまく言葉に表せない感情を、本作からはたくさん貰ったような気がする。『マカンマラン』のシャールさんのご先祖さまも居たような(笑)既読の『痛みの道標』とも少し繋がりがあるようなので、文庫化したら確かめてみたいと思う。

2017/11/20

じょんじょん

マカン・マランの古内さん作品、事前知識なく読み始めました。書名から三浦しをんさんの『木暮荘物語』のようなシェアハウスエピソードストーリーかなと思っていたら、大違い太平洋戦争前後と現代をいききする壮大な人間史ストーリーでした。戦争前後と現代が並行して物語がすすむなか、どのように交わって帰着するのだろう、途中からぐんぐん惹きこまれました。現代に生きて、認識のなかった大叔母から十六夜荘の相続指名を受けた雄哉が、しだいに変わっていく様子が嬉しい。ラストのシーンは感動のフィナーレが鳴り響くような気持ちになりました。

2018/02/13

penguin-blue

エリート会社員の主人公がほぼ接点のなかった大叔母から思いがけず一等地のおんぼろアパートを相続、住人を追いだし有効活用を試みるが、様々な障害に直面する。折しも仕事や生き方に行き詰まり…という現代と、大叔母の生きた戦時中が交互に語られる。現代部分はよくも悪くも懐かしの少女漫画の絵柄が似合いそう。戦時中、芸術家にとって生きづらかった時代の若き画家たちとそれを庇護した兄妹の設定は魅力的なだけに、もう少しこちらに比重を置いた方がよさそう。主題や表現を制限されず描いたり見たりできるのはとても幸せなことなのだと感じる。

2017/10/20

エドワード

エリート会社員の雄哉が突然相続することになった古い洋館・十六夜荘。今は四人の若者のシェアハウスになっている、彼の大伯母・玉青の屋敷。資本主義の権化のような雄哉は夢追い人の彼らを追い出そうとするが、一瞬のミスで会社をクビになり、彼らと交流し始め…。雄哉の心の変化を追う現代編と、十六夜荘と玉青の関わりを描く昭和編が交互に進む。激動の時代を生き抜き、一度手離された十六夜荘を必死に取り戻す玉青。彼女が取り戻したのは建物と精神―自由な芸術家たちの魂だ。二重写しになる若者たちの姿が見事。無名の画家たちの作品展に感銘。

2017/10/25

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