バルザック(下) (中公文庫 ツ 2-2)
バルザック(下) (中公文庫 ツ 2-2) / 感想・レビュー
やいっち
上巻を読了後、もどかしい思いで下巻に突入。伝記本としても、シュテファン・ツヴァイクの本としても傑作。ツヴァイクは若い頃からバルザックに魅せられてきた。ある意味、本書までの作品はこの本を書くために腕を磨いてきたとも言えそうなほど。あまりのバルザック愛ゆえにか、バルザック病にかかって、何度も書き直し書き足しと十年を経ても完成できず、未完のままに遺った。
2024/02/12
うた
作家バルザックは人間喜劇の作者、パリ風俗の公証人と呼んでいい。まさしく天才の仕事だ。一方、人間バルザックは、歩くバブル経済というところか。ハンスカ夫人を求め、野心や虚栄心にまかせて借金に借金を重ね、未着手の原稿を担保にいれて、自己をどんどん肥大化させていく。意思が強そうな顔つきとまるまるした体。彼の人生は彼の肖像画そのものだ。フーシェを読んだ時も思ったが、ツヴァイクの文体は今では古めかしいが、こういう人を書いてみせるの適している。
2023/12/11
国見弥一
上巻を読了後、もどかしい思いで下巻に突入。伝記本としても、シュテファン・ツヴァイクの本としても傑作。ツヴァイクは若い頃からバルザックに魅せられてきた。ある意味、本書までの作品はこの本を書くために腕を磨いてきたとも言えそうなほど。あまりのバルザック愛ゆえにか、バルザック病にかかって、何度も書き直し書き足しと十年を経ても完成できず、未完のままに遺った。
2024/02/12
蛙坂須美(アサカスミ)
史上随一の「本物」である売文家バルザックの一生を闊達に描く。大袈裟な書きぶりに噴飯を禁じ得ない箇所もあるが、それ含めて生き生きとしたおもしろい伝記だった。短篇以外のツヴァイクに触れるのはこれがはじめてだと思う。
2024/01/02
斉藤達也
この伝記のバルザックは、女たらしで、浪費家で、・・・・世が世なら賭け事にも嵌っていたのではないか?母親からネグレクトされた子供が一般的に辿る人生とも言えるが、一般人はそれで終わるところ、バルザックの天才はそれを一連の傑作小説に結実させた。 本書で言及される作品は自分も既読のものばかりで、大バルザックといえども傑作と呼べるものは案外限られるのではないかと感じた。
2023/12/22
感想・レビューをもっと見る