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そこにある山-人が一線を越えるとき (中公文庫 か 96-1)

そこにある山-人が一線を越えるとき (中公文庫 か 96-1)

そこにある山-人が一線を越えるとき (中公文庫 か 96-1)

作家
角幡唯介
出版社
中央公論新社
発売日
2023-12-21
ISBN
9784122074521
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そこにある山-人が一線を越えるとき (中公文庫 か 96-1) / 感想・レビュー

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活字スキー

【なぜ本書が、斬新な概念を駆使しつつ、その実存的動態に迫る一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである】寒い季節になると、極北の冒険野郎カクハタが今どんなことになってるのか気になるのが人情というもの。『中央公論』の連載をまとめて2020年に刊行された単行本に若干の加筆・修正をおこなった文庫版で、近年は一年の半分弱をグリーンランドで過ごしているという角幡さんの探検観というか人生観の変遷をしっかり味わうことができてとても面白かった。

2024/01/17

roatsu

P116に出てくる記述ではないが「数行の記述でおわってしまう単調な環境のひろがり」的な主題にくどくど屁理屈をこねくり回し膨らませただけの空疎な内容と感じた。シオラパルクから発信するXの方がよほど面白い。本気かネタか、結婚の理由を聞かれただけでここまで拗らせることができるのはある意味凄い。身体拘束されて結婚を強いられたならともかく、好きな異性が現れて互いに一緒になる「選択」をしてめでたく結婚したんだろうに。それ以上でも以下でもないことを「事態」などと言い張ろうとするからおかしな話になる。P203の奥さんなど

2024/01/23

ゆうすけ

47冊目、この20年で最も少ない。2023年の読み納めは、何と2年連続で角幡唯介さん。その前年はこれも文庫化されたばかりの『極夜行前』でした。年末の休みで、読了できた。著者の探検ノンフィクションはよりエッセイを好んで読んでいます。そしてこの本はかなり異色な内容でした。なんといってもハイデカーとか國分功一郎とかがに引用されている。そこそこ難解なのですが、凄まじい筆力でぐいぐい読ませる。角幡氏は探検家であると同時に徹底して考える人です。「態度」と「関わり」という概念をもっと色々なバージョンで書いて欲しいです。

2023/12/31

D

登山を始めた事もあり、角幡唯介の本をたくさん読みたいと思い手に取った。思索エッセイとでも言うべき内容で著者のこれまでも歩みとこれからの人生について肉付けを行なっていくような印象の本だった。著者が全体を通して特に主張したいことはきっと終章人生の固有度と自由で述べられていた内容なのだと思う。この章を読んで確かに自分のこれまでの選択は事態に飲み込まれて選んだ部分が多分にあり、他の誰かが私の人生を歩んでも同じ場所には辿り着かないだろうと思う。一方で私は未だ合理的な選択のもとこれからの岐路を選ぼうとしているとも思う

2024/03/06

hidehi

内容は”冒険の現象学”。この人の冒険ノンフィクションからの流れで読むと面食らうかも。ハイデガーをちゃんと踏まえて、この人の今まで経験してきた"冒険"を考察している。ちゃんとした哲学書にもなっているので、著者のファンだけでなく、哲学クラスタにもいいと思います。ハイデガーが『存在と時間』で提示した日常の事物から展開する"現象学"のやり方は、好悪はともあれ、これだけ射程/応用範囲の広いものなのだと改めて興味深い。

2024/01/21

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