影の外に出る ~日本、アメリカ、戦後の分岐点
影の外に出る ~日本、アメリカ、戦後の分岐点 / 感想・レビュー
踊る猫
むろん私も含めて、日本人が冷戦の過程で失ったものは何かを片岡義男は厳しく追及している。それはつまり、国家というリアルな存在を立ち上げられるだけの自信を日本人が勝ち得ず、故に自主的に振る舞うことができずアメリカに従属するがままになり、空疎な言葉を並べ立て抽象的な言葉遊びしかできない国民になってしまったことではないかと思う。悪く言えば、この本の中で片岡義男の立ち位置はどこなのか見えないところがある。彼もまたコマンダー(軍師?)気取りではないか、と批判することもできるだろう。しかし、私はもっと違う批判を試みたい
2023/03/12
踊る猫
片岡義男は、もちろんナショナリストではない。イラク戦争前後の日本に対して、本書ではかなり厳しい評価を下している。ただ、アメリカかぶれというわけでもない。アメリカに対しても本書では(その賛否はどうあれ)言うべきことはきちんと指摘しているし、スジは通している。イギリスやヨーロッパ的な感性の持ち主というわけでもないらしい。アメリカの文物で多くを学び多感な時期を過ごして来た片岡は、日本で小説家として揉まれる過程でコスモポリタンとして、つまり何処にも属さないアマチュアの知識人として成熟を遂げたのではないか、と思った
2019/11/06
takao
ふむ
2023/11/14
うっしい
片岡義男さんは、久しぶりに読みました。以前の軽快な小説を久しぶりに読みたくなりました、
2009/06/08
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