出口治明特別授業西遊記 (NHK100分de名著 読書の学校 図書館版)
出口治明特別授業西遊記 (NHK100分de名著 読書の学校 図書館版) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
『西遊記』をタネにして、中国史を教科書とは違った側面から見たり、文学の成立を講釈・お笑いを通して見るなどの展開が、抜群におもしろい。もはや『西遊記』をあっさりと越えて、人生の学校を感じさせる授業。ユニークさが幅をきかせている現代ではあるが、まねやパロディこそ創作の基本なのかもしれない。優秀な人物だってズルいこともあるし、それも等身大の人間の姿である。みんなタテマエだけで生きているわけではないんだと、仲間のはずなのに、足の引っぱりあいをする(それでもしっかりお経を持ち帰る)悟空たちが教えてくれる。
2021/02/10
あお
人間の脳は一万年以上進化していない。古典を現代人が読んでもおもしろいと感じるのはそのため。読書をしたら出世に役立つとか、教訓が得られるという考えは捨てる。すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなる。自分がおもしろいと思う本を読む。歴史というものは、偶然の要素がとても大きい。スキー場の例えに納得。勉強しなくてもいいが、選べるほうが、選択肢が多いほうが、人生というゲームは楽しくなる。小田実さん「人間みんなチョボチョボや」「みんなカッコつけてるけど一皮剥いたら人間はみんな同じでアホばっかやで」それが人間の本質。
2019/10/07
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