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「明治」という国家[新装版] (NHKブックス No.1249)

「明治」という国家[新装版] (NHKブックス No.1249)

「明治」という国家[新装版] (NHKブックス No.1249)

作家
司馬遼太郎
出版社
NHK出版
発売日
2018-01-23
ISBN
9784140912492
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「明治」という国家[新装版] (NHKブックス No.1249) / 感想・レビュー

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アキ

江戸から明治に変わる時代に一体何が起こったのかを、著者ならではの一筆書きのような語り口で一気に読ませる11章。イデオロギーではなく、リアリズムを通して、「座布団の下の話」として「坂の上の雲」など小説のモデルになった人々のエピソードなどから、1868年から1912年まで44年間つづいた「明治国家」を語る。司馬史観は現代から見ると誤謬も指摘されるが、歴史とはそれを語る人ごとに見方が変わるということを前提にしても、勤勉と自律、自助をモットーに「明治国家」を生きた人々への著者の圧倒的な信頼と熱い想いに圧倒される。

2020/12/09

Book & Travel

息子が学校で近代史を習っていて色々聞いてくるので、改めて明治時代の本をと手に取った一冊。様々な切り口で明治国家を捉えた11章から成る。「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」辺りで触れられた人物や余談も多数登場。久々に読む司馬さんの語り口が心地好い。小栗忠順、滝廉太郎、新島襄といった小説にあまり登場しない人物の話も興味深い所が多かった。明治の見方・評価は様々で、後の軍国主義に繋がる部分には複雑な気持ちにもなるが、侍の国から近代国家を作ろうと無私の心で奮闘した人々の姿からは、大いに学ぶべき事がありそうだ。

2022/11/11

ちゃま坊

先日読んだケン・フォレット「火の柱」ではカトリックとプロテスタントの対立の歴史を描いていたが、なんとここにもリンクしていたのか。勝海舟の学んだ蘭学はオランダ、咸臨丸で向かったのはアメリカ。明治という国家ができたのは、プロテスタント国家の力が大きいと言う。カトリック国家はフランス以外はどうもふるわない。明治6年まで日本はキリシタン禁制を続けていたというが、キリシタンとはカトリックのことを指すらしい。

2021/11/03

はちこう

1989年にNHKで放送された「太郎の国の物語」という番組で司馬遼太郎が語ったことを本にした作品。まるで司馬の講演会か何かを聞いているような気分になる。咸臨丸における勝海舟のエピソードが2度登場する。人事に不満があった勝は艦長室に引きこもり、船から降ろせと騒ぎ出す始末。そんな勝を目の当たりにした福沢諭吉は、勝を生涯敬遠したらしい。司馬は、こういう勝の〝えぐさ〟は苦手としながらも、偉大な人物で大好きだという。小栗上野介、荒城の月、東郷平八郎、新島襄のエピソードも良かった。

2022/03/11

金吾

○明治という時代は奇跡の連続であったのだなと認識させられた一冊です。司馬遼太郎さんが様々な脱線をしつつ明治を語っていますが、廃藩置県とサムライの終焉あるいは武士の反乱は特に面白かったです。

2020/03/21

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