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レ・コスミコミケ (ハヤカワepi文庫)

レ・コスミコミケ (ハヤカワepi文庫)

レ・コスミコミケ (ハヤカワepi文庫)

作家
イタロ・カルヴィーノ
米川良夫
出版社
早川書房
発売日
2004-07-22
ISBN
9784151200274
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レ・コスミコミケ (ハヤカワepi文庫) / 感想・レビュー

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zirou1984

原題『Le cosmicomiche』つまり宇宙コミック。コンピュータおばあちゃんを遥かに超越する超銀河おじいちゃんことQfwfq翁にかかればどんな科学書の一文も「そうそう、ワシが若かったころは~」な与太話に早変わり。短編の中で時にはメタな語りが顔を出しつつも、多くは恋愛語りや寓話としての親密さに満ちているのだが、それが宇宙創生以前やら数億年のスケールやらで展開するのだからたまらない。理解不能なものを人間の一生に引き付けて語り下ろすとは神話の模倣であり、これはカルヴィーノなりの古典に対する挑戦なのだろう。

2014/04/09

えりか

すごく好き。宇宙の誕生から存在している、ちょっぴりイタズラ好きのQfwfqおじいさんの体験談。嘘か誠か、お月さまに行ってみたり、原子を転がして遊んでみたり、生き残りの恐龍族だったり。地球誕生のその瞬間、まだシャボン玉のように透明な球体の中へ閉じ込められてしまった女がいたり。奇想天外で、美しくて切ない。失ったものへのノスタルジー、何億光年も先への期待。愛しいものとの出会いと別れ。そして「私」という存在について。夜空を見上げよう。そしてそこで瞬いている星々に思いを馳せる。あぁ、なんてすごくロマンチックな物語。

2016/04/12

拓也 ◆mOrYeBoQbw

SF幻想集。ビックバンの前から(ただしビックバン否定する理論の短篇も有りw)、最後の恐竜~地上に上がったばかりの両生類も経験したQfwfq老人が、昔語り形式で量子物理、宇宙物理、アインシュタイン物理をユーモラスに語る短編集です。ハードSFと真逆の、理論が入り口でそこから幻想を膨らませる、SF寓話と奇想短篇も言える作品群ですね。あとがきではミュンヒハウゼン男爵の法螺話と比較されますが、私としてはエンデや宮沢賢治に近いテイストで、むしろ物理学を知らない方が楽しめる小説かもしれません(・ω・)ノシ

2016/10/24

かわうそ

ものすごく頭の良い人が書いた壮大なスケールかつギャグ満載のSFお笑い小説集。おっさんどんだけボケんねん、とツッコミながら読みましょう。

2014/05/03

長谷川透

読者を物語の中に引き込む魔術的な声の強さは流石である。カルヴィーノは超一流の創造者だ。科学理論の枠組みを利用したSF仕立ての短篇集であり、個々の作品には最新の科学理論がエピグラフとして提示されていてそれ自体は難解であるが、肝心の作品自体は読み易く、どちらかというと軽いタッチで書かれている。ところが随所にカルヴィーノの野心が垣間見れて面白い。絶対的真理として君臨する科学に対するアンチテーゼ、既成概念の破壊的衝動がこの作品から見える彼のオブセッションで、幻想的な物語もカルヴィーノ流の創世期なのだと思う。

2014/01/16

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