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まっぷたつの子爵[新訳] (白水Uブックス)

まっぷたつの子爵[新訳] (白水Uブックス)

まっぷたつの子爵[新訳] (白水Uブックス)

作家
イタロ・カルヴィーノ
村松 真理子
出版社
白水社
発売日
2020-10-29
ISBN
9784560072127
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まっぷたつの子爵[新訳] (白水Uブックス) / 感想・レビュー

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冬佳彰

イタロ・カルヴィーノは、大昔に何か読んだ記憶があるが、例によって何だったか覚えていない。本書は大人向けの童話とでも言えるのだろうか?ちょっと血なまぐさい。トルコ人たちとの戦争で砲撃を受け、(そんなことあるはずないけど)右半身と左半身に真っ二つに分かれてしまった子爵。先に領地に戻ってきたのは、「悪」のみが宿った右半身の子爵で、凄まじい圧政を始める。そこに「善」のみの左半身の子爵が戻り、善行を為しながら領地をさまよう。(続く)

2021/07/20

まこ

語り手の叔父である子爵が良い面と悪い面に文字通り真っ二つになっての騒動。これがインパクトありすぎだけど、子爵や周りを見る語り手に反骨精神が時折覗かれ、彼が大人として成長していく話。悪い子爵のお陰で世間から隔離された癩病患者のコミュニティが楽しい、良い子爵の良さにも落とし穴と、語り手を取り巻く世界は一筋縄ではいかない面白さ。不完全な存在だから人の痛みがわかる人になれる。

2021/08/28

Book Lover Mr.Garakuta

図書館本:ゲームのネタになりそうな本だった。

2021/03/27

Vincent

3年ぶりの再読。砲弾でまっぷたつになった2人の子爵の姿は米大統領選挙や新型コロナウイルス蔓延による社会の分断を象徴しています。『ペストが来るぞ、飢饉になるぞ!』と叫ぶテッラルバの村の人々の姿も世界中の困窮疲弊する人々のそれと同一視できます。本書はイタリア文学の大御所による恐るべき予言の書といえるかもしれません。

2020/12/20

バニラ

戦争で左右まっぷたつになってしまった子爵。不完全な身体ゆえに完全な善と悪に分かれた。完全な悪はもちろん、完全な善もうまくいかない。いかに完全でも片方だけではやはり不完全なのだ。人間は善悪があって完全なのだ。

2021/07/31

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