KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

作家
オルダス・ハクスリー
水戸部功
大森望
出版社
早川書房
発売日
2017-01-07
ISBN
9784151200861
amazonで購入する

すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

こーた

本を読むひとは減りつづけ、知性は蔑ろにされ、格差はすすみ、人々は何よりもまず安定をのぞんでいる。この「すばらしい新世界」のおかしさに、いまの世界が追いついてきてしまっているのではないか。そんなことを考え出すと、わたしはこの小説を素直に笑うことはできない。狂気に堕ちいっているのは、世界なのか、それともわたし自身なのか。安定を求めおかしくなっていく社会に、文明などというものに、取りこまれてしまうくらいなら、わたしはひとり野人として生きていくことをのぞむ。たとえ不安定であっても、本を読めるほうがずっといい。

2018/02/08

(haro-n)

この作品は特異な世界でうまく感想が書けないが、社会のあり方をリアルに考えさせられた。「野人」が登場してから周囲の人々のステレオタイプな反応が際立ち、不気味さを感じた。社会の安定の為であろうと誕生前から管理・操作されることへの抵抗感は拭いがたい。社会は誰のもので幸せとは何だろう?上層部に追従するしかないような社会にならないよう、自分の道は自分で考えて選択したい。社会は、他者とコミュニケーションを通して信頼関係を築きながら作り上げるものであってほしい。選択の自由や言論の自由があることの大切さや尊さを痛感する。

2017/11/21

鱒子

完全に統制された快適な世界。万人は幸福で満たされている。しかし、前半の主人公 バーナード、後半の主人公 ジョン、この2人のはみ出し者によって、ディストピアのファシズムが浮き彫りになります。訳者あとがきで、本書はブラックユーモアであり吹き出すようなギャグ小説だと書いてあります。わたしはもっと悲惨な気持ちで捉えていたので、ええっそうなの!?と、すごく驚きました。次回読むときは、そこら辺を踏まえて読んでみよう。

2020/05/04

らぱん

練り上げられた設定が素晴らしい。西暦2540年のロンドンは「最大多数の最大幸福」を実現している社会であり、貧困も飢饉も無いし戦争は起きない。個人には四苦八苦は無い。全ての階層の人間に不満が無く、システムとして持続可能ならば理想社会の叩き台にはなるのだろうか。いや、しかし…と、自分の好みの手段ではないし、これは違うと大いに反発するが、間違っていると説得できる自信が無い。そんな揺らぎを与えてくれるところが、長く読まれている理由なのではないか。ゆっくり考えていきたい。いい刺激をもらった。↓

2020/01/07

k5

世の中がディストピアっぽくなってきたので、ディストピアものの名作を読む。オーウェルの『1984年』やザミャーチンの『われら』に比べるとストーリーは頭に入ってこないんですが、それだけにディストピア感は際立ちます。シェイクスピアを愛読する野人がいいですね。光文社の版でも読んでみよう。

2022/03/16

感想・レビューをもっと見る