君の話
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君の話 / 感想・レビュー
めでゅう
あらゆるフィクションは、受け手にとっての代理経験として働く。〈義憶〉とフィクションの違いは、フィクションがそれぞれの媒体(テキスト、絵など)の制限を受けざるを得ない一方で、〈義憶〉にはそれがなく完全な実感を伴っている、という点だけだった。それ以外に違いはなく、「虚構という自覚」「現実への影響」等、何もかもが同じだった。〈ヒーロー〉〈ヒロイン〉に仕組まれた仕掛けは、数年前にはすでに働いていた。その作品に触れた時から、私はもう呪われていたんだと思う。会えさえすれば解消されて、
2018/08/04
K
これはどうしようもなく"嘘"の物語だ。新種の病に対する療法に端を発して、人工的な記憶である「義憶」が普及した世界で、主人公は存在しないはずの幼なじみの影に翻弄されることになる。運命や偶然によってもたらされる幸福は何処と無く嘘臭くて偽物であるように感じてしまう。だけど本物と偽物の両者には本質的な違いはないのかもしれない。その出会いを逃せば、欠落感は一生付きまとう呪いになるだろう。逆にその出会いを受け入れられれば、それは最良の可能性の実現に他ならない。義憶とは世界で一番優しい嘘のことだ。
2018/10/06
ナイスネイチャ
図書館本。初読み作家さん。記憶を消したり、疑似記憶?できたりする事が出来る近未来の物語かな?どこまで現実か区別付かないのは本当に起こったらそうなるんだろうなと。
2019/01/13
のんき
どんな人にも、あなたにも、わたしにも、最低でも一人は、運命の相手がいます。その相手は、恋人となるべき相手かもしれないし、親友になるべき相手かもしれません。その相手は、電車の座席にあなたが座った隣の人かもしれないし、交差点で、今すれ違った人かもしれません。映画やテレビドラマだけの世界だけではなく、わたしのすぐ身近に運命の出会いがあると信じたいな!そして、その出会いを逃さないようにしたいです
2019/03/15
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
84/100点 以前から読みたいと思い何冊か積んでいるのですが読めなくて、この作品が初読みの作家さん。人工的な記憶の導入や記憶の抹消の技術が存在する社会を舞台したSFの要素を含んだ恋愛小説。その義憶という設定も良く考えられていて面白く読めました。最初は主人公の千尋の性格や言動に共感出来ず若干イライラしましたが、途中B面の灯花視点になった辺りから状況が解明されて来てあとは一気読みでした。読み終わってホントあらすじに書いてあった通りの、出会う前から続いていて始まる前に終わっていた恋の物語でした、切ないです。
2018/08/24
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