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ニッケル・ボーイズ

ニッケル・ボーイズ

ニッケル・ボーイズ

作家
コルソン・ホワイトヘッド
藤井光
出版社
早川書房
発売日
2020-11-19
ISBN
9784152099785
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ニッケル・ボーイズ / 感想・レビュー

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starbro

2回目のピュリッツァー賞受賞作、コルソン・ホワイトヘッド、2作目です。ニッケルという名の少年院を舞台にした黒人少年たちの物語、米国は本作同様有色人種の迫害・差別を建国以来続けてきたんでしょうね。同賞受賞も納得です。昨日の暴動も含め、世界一のならず者国家の真の姿を見た気がします。バイデン政権で、少しは改善されるのでしょうか? https://ichi.pro/korusonhowaitoheddo-niyoru-nikkerubo-izu-nitsuite-no-kangae-208999369379114

2021/01/08

ケイ

私の読後感は、共有されることは少ないとは分かっている。しかし、やはり素直に感想を書きたい。読みながら感じる違和感。訳者の解説についても、なぜ?と思う。フロリダには、先住民の特別居住区がある。そう思うと、この中にはなかなか入れなかった。

2021/04/18

buchipanda3

黒人の公民権運動が盛んな60年代始め。フロリダの少年院に無実の罪で入れられた少年の悲運な話だが著者は小説として巧みに読ませる。少年は現実を直視する性格で、キング牧師の言葉を胸に未来を見ていた。だが彼の入校の要因も職員の暴力も歪な差別が根源にあり、ふとしたことで闇に落とされる理不尽さに怯える恐怖に曝される。それでも意を決した彼。しかし歴史上、そういった声は届かないことが多かったのでは。エピローグを読み、その届かなかった声をあの彼も著者もどうしても伝えたかったのだと思えた。世界の沈黙に対して尊厳と愛を携えて。

2023/12/01

ずっきん

職員による虐待事件が明るみになった、フロリダ州の少年更生施設をモデルにしたもの。夢の大学での講義を目前にしながら、無実の罪でニッケルへ送致されてしまうエルウッド。一方、NYに居を構えてからの後年の話との二軸で物語は展開していく。『地下鉄道』でも感じたが、誤解を恐れずにひと言。むちゃくちゃ面白い。むろん胸糞な話である。だが、打って変わった静かな筆致で、その胸糞をドラマチックに語り尽くす。構成も素晴らしい。ハラハラと読み進め、気がつけば、醜悪と理不尽のど真ん中に立つという、想像を絶する追体験をさせられるのだ。

2021/01/12

どんぐり

『地下鉄道』に次ぐホワイトヘッド2冊目。アメリカのBLM運動に火がついたように、2020年本作で2回目のピュリツアー賞受賞。プロローグは、2011年に閉鎖された少年院の敷地から、虐待を受けた黒人少年の遺骨が発掘されたという報道記事。そこから始まる黒人少年エルウッドの犯してもいな罪で収監された少年院の生活が語られる。少年たちは「生徒」と呼ばれ、そこでは社会復帰のための職業訓練と教育を施す矯正プログラムのもと、下は〈弱虫〉から〈探検〉〈開拓者〉、一番上の〈エース〉まで職員による容赦ない暴力と選別が行われる。→

2021/03/31

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