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アンバランス

アンバランス

アンバランス

作家
加藤千恵
出版社
文藝春秋
発売日
2016-03-19
ISBN
9784163904269
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アンバランス / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

先日読了した柚木さんの「セックスレス」をテーマにした作品に続き、本作もテーマは一緒ですが、中身はまったく違うかなりヘヴィな作品でした。「日奈子」の前に突如として現れた美しいとは言えない女性から、いきなり夫の不倫現場の写真をみせられ・・・夫は「不能」なはずなのになぜ?夫の「不能」に過去のトラウマが関係しておりと展開は静かな流れですが、「日奈子」の思いが淡々と綴られ、ココロが痛くなります。決してテーマがテーマなだけに明るい話ではありませんが、「日奈子」に感情移入し、どこかフォローしたくなる自分がいました。

2016/06/10

やすらぎ

緩やかな生活に突然訪れた来訪者。それがぬるま湯の時間であったとしても、居心地の良かった場所。ときには熱くも冷たくもなるはずの生活なのに、あの日からずっとアンバランス。思うようにいかない。誰にも言えないこの気持ち。好きだったのに嫌いになれない。感じてはいけないこの温かさ。今すぐに会いたい。でももう会いたくない。双方の感情が交錯してすべてを停滞させる。進むという選択肢を妨げる優しさと思い出。やっと振り絞って言えた気持ちを、ユキは受け止めることができるのだろうか。答えは一つではないが、霞んだ先に闇が揺れている。

2018/12/31

その後が気になるまま終わってしまった!私が主人公だったら即離婚するだろうなぁ、しかし、旦那さんが良い人だから許してしまうかも。。 旦那の浮気(?)がきっかけではあったものの、今までに夫婦仲のバランスを保つ為に、抑え込んでいた感情を出し、望みを訴えたことは結果がどうなったとしても2人にとって良いことなのではないかと思います。

2016/04/10

優希

大人のビターな話を書くようになったなという印象を受けました。とても切なくて苦しくて。恋愛して、結婚して、でもセックスレス。セックスして子供が欲しい日奈と日奈相手だとセックスどころか勃起すらできないユキ。色々な夫婦の形があって、セックスレスの夫婦でも気持ちが通じていればそれはそれで1つの夫婦の形だと思います。今までは普通の形として危ういバランスを保っていた日奈とユキが完全にアンバランスになったとき、大切なものが崩れていくのを感じました。守ろうとしてきたものを壊したかのように。全てが痛くて突き刺さります。

2016/03/24

なゆ

暗黙のままの危ういバランスで成り立つ幸せ。夫婦であっても、いや夫婦だからこそ踏み込めないこともあったり、気を使いすぎたりすることもあるのだけど。これは、衝撃的な発覚だな。夫の浮気、それだけでもショックなのに、夫は性的不能のはずなのに何故…。そこから、妻の日奈はこれまで見て見ぬフリをしてきたことと向き合い苦しむ。しかし、秘密に対抗できるのは秘密しかないのだろうか。複雑な要素が絡まって、どうするべきだったのか難しい。がっつり本音でゆさぶりをかけられると逃げ場がなくなりそうで、この二人のこの後が気になる。

2016/06/04

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