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ミス・サンシャイン

ミス・サンシャイン

ミス・サンシャイン

作家
吉田修一
出版社
文藝春秋
発売日
2022-01-07
ISBN
9784163914879
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橘ケンチさんが選んだ1冊は?「最後、鈴さんの抱えていた想いがほろっとほどける。泣いてしまいました」

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年4月号からの転載になります。

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、橘ケンチさん。 (取材・文=松井美緒 写真=TOWA)

「なんでこんな文章が書けるんでしょう。吉田修一さんの作家としての凄さを改めて感じました」  大変な読書家として知られる橘さんだが、『ミス・サンシャイン』は特別に強く印象に残る一冊だ。 「銀幕の大スターだった鈴さん、大学院生の一心をはじめ、登場人物がみんな生き生きとしています。作中には、実在の俳優さんの名前も出てくる。それも相まって、読んでいるうちに脳がバグりました。鈴さんの人生も彼女が出た映画も、本当にあったことなんじゃないかと。それくらい完成された世界観です」  鈴さんも一心も、そして吉田修一さんも長崎の出身だ。 「原爆の話も直接的に多くが語られるわけではないのに、読む者の胸に迫る。最後に、鈴さんが抱え続けてきた想いがほろっとほどける。思わず泣いてしまいました。これが本が持つ力なん…

2023/3/13

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ミス・サンシャイン / 感想・レビュー

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starbro

吉田 修一は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。最近増えている高齢者小説かと思いきや、年齢を超越した芳醇な恋愛譚の感動作でした。まだ1月ですが、今年のBEST10候補、吉田 修一のMyBESTです。 帯にコメントを寄せている吉永 小百合(和楽京子)&中川 大志(岡田一心)のW主演での映画化を期待します。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163914879

2022/01/27

旅するランナー

すでに80歳を超えているが、その人は美しい女性だった。昭和の大女優と大学院生の優しく呼吸が合う関係性。京マチ子さんあたりをモデルにしているのだろうか。日本映画の活気溢れる勢いを感じます。そして、その人が語る言葉に元気をもらい、その人の人生に深い感動をおぼえます。吉田さんによる映画シーンの描写力、出身地長崎への思いにも心打つものがあります。その人は、横道世之助に並ぶ、心持ちの美しい人だった。その人は生きざまの美しい女性だった。

2022/03/17

まちゃ

美しく温かな余韻の残る物語でした。良かったです。80代の往年の名女優”和楽京子”こと、鈴さんと、社会に馴染めずに大学院に戻った岡田一心との半年ばかりの心の触れ合い。凛とした梅のような女性、鈴さんとの交流によって、一心が得た大切なものは。いま映像化するとしたら、鈴さんは、"草笛光子さん"かな。

2022/03/18

ウッディ

往年の大女優、和楽京子(鈴さん)の荷物整理のバイトを始めることになった一心。映画全盛期にデビューし、世界的な女優となった彼女の偉業と親友との思い出。一心の失恋と幼くして亡くなった妹の存在、そして恋愛感情と呼ぶには淡すぎる鈴さんへの想いが丁寧に描かれていました。哀しさを秘めながら華やかさに彩られた過去が、年齢を超えた鈴さんの魅力の形づくり、素敵な女性であることが伝わってきます。フィクションだけど、強いて言えば、一番近い女優は吉永小百合さんなのかなぁ?タイトルや装丁からの印象とは違っていたが、面白かったです。

2022/12/22

ショースケ

なんと温かい気持ちになったんだろう。読後、気持ちがほかほかしてたまらない。昭和の大女優、和楽京子の自宅の資料を片付けるバイトを頼まれた岡田一心。彼女の本名は石田鈴。戦後日本だけにおさまらず、ハリウッドでもその名を席巻した。その鈴さんとの交流。今は引退してる80代。鈴さんの若い時の映画を観てときめく一心。失恋の痛手を癒してくれた鈴さんとの会話。軽井沢での一夜ではドキドキした。鈴さんには心に秘めたものがあった。原爆に触れているのは吉田氏が長崎出身だからだろう。吉田氏の小説の引き出しの多さに驚く。とても良かった

2022/02/28

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