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復刻版 ファイヤー! 上

復刻版 ファイヤー! 上

復刻版 ファイヤー! 上

作家
水野英子
出版社
文藝春秋
発売日
2023-01-27
ISBN
9784163916514
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「復刻版 ファイヤー! 上」のおすすめレビュー

伝説のロックコミック『ファイヤー!』が23年ぶりに復刊!“女手塚”水野英子が描く60年代アメリカの青春

『復刻版 ファイヤー! 上』(水野英子/文藝春秋)『復刻版 ファイヤー! 下』(水野英子/文藝春秋)

 1955年に『少女クラブ』にて15歳でデビューし、“女手塚”とも呼ばれる少女漫画の旗手・水野英子氏は、トキワ荘出身唯一の女性漫画家としても知られている。

 水野氏の代表作の一つである『ファイヤー!』が、先日およそ23年ぶりに復刻版として出版された。当作品は、1969年~71年にかけて雑誌『週刊セブンティーン』で連載され、1970年に小学館漫画賞を受賞。また2010年には『ファイヤー!』を含む水野氏の全作品が日本漫画家協会の文部科学大臣賞を受賞するなど、時代が変わっても高い評価を受けてきた。

 舞台は1960年代のアメリカ。当時連載されていた時期と同時代の物語である。主人公は、貧しいが正直に働き、母とふたりで暮らす少年アロンだ。

 復活祭で街がざわめく中、母親のために新しい帽子を買ってやろうと考えるアロン。しかし、突然現れたファイヤー・ウルフという男により、彼の人生は大きく変わってしまう。仲間を引き連れながらバイクで走ってきたファイヤーは、アロンの前で…

2023/3/10

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復刻版 ファイヤー! 上 / 感想・レビュー

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ぐうぐう

名作は軽々と時代を超える。水野英子の代表作と言えば『ファイヤー!』であり、それは重々承知していたものの、これまで読み機会に恵まれなかった(帯にもあるように、前回の復刻から23年間重版がなかったことも大きな理由のひとつだ)。めでたく文藝春秋から刊行された、この復刻版で初めて『ファイヤー!』に触れたのだが、冒頭の表現を実感させられた。1960年代のアメリカを舞台に、ファイヤー・ウルフとの出会いにより音楽に目覚めるアロンを主人公に、ロックバンド「ファイヤー」の生き様を描く。(つづく)

2023/02/18

道楽モン

念願の水野英子作品を読む。1969年〜1971年というロックの全盛期に描かれた作品で、噂に違わぬ傑作。少女漫画の文法から著しく逸脱しており、当時としては画期的どころか、商業的な思惑よりも、表現としての芸術性を優先した奇跡的な存在なのだろう。ピンク・フロイドへの傾倒ぶりが、シド・バレットを偲ばせるラストシーンへとつながっているかのようだ。愛と革命の標榜が、まだロックというカルチャーに希望を見出せた時代に、熱量をそのまま作品に封じ込めている様で、ポテンシャルは半端なく高い。(続く)

2023/04/20

遠い日

漫画にもロックにも全く興味のない若き日々だったので、『ファイヤー!』の立ち位置が今ひとつ飲み込めないまま読み始める。アロンの型破りとしか言いようのない音楽への激しい飢餓感と純粋すぎるメンタルの乖離にどぎまぎしながら、呑み込まれるようにして一気読み。憧れを身の裡に落とし込むまでのアロンの軌跡は痛々しいが、眩しい。

2023/05/30

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