KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

恋とそれとあと全部

恋とそれとあと全部

恋とそれとあと全部

作家
住野よる
出版社
文藝春秋
発売日
2023-02-24
ISBN
9784163916606
amazonで購入する Kindle版を購入する

「恋とそれとあと全部」のおすすめレビュー

片想いの相手との“不謹慎”で特別な旅…恋という感情を知る全ての人へ贈る『キミスイ』住野よる最新作

『恋とそれとあと全部』(住野よる/文藝春秋)

 周りからは欠点に見えそうなところも含めて、全てを好きになってしまった人がいる。性格も思考回路も容姿もファッションも全部が大好きだ。その人の欠点さえ愛おしいし、他の人には理解できない魅力に気づいた自分がちょっぴり誇らしくさえある。だが、相手の目に自分がどう映っているのかと思うと、途端に自信がない。あの人にとって自分はただの友達なのか、それとも——そんな風に片思いをこじらせて、あれこれ思い悩んだ経験はきっと誰にだってあるだろう。

『恋とそれとあと全部』(住野よる/文藝春秋)は、そんな片思いが男子高校生目線で語られる青春恋愛小説。『君の膵臓をたべたい』(双葉社)や『青くて痛くて脆い』(KADOKAWA)などで知られる住野よる氏の10作目の作品だ。

 主人公は「めえめえ」こと、瀬戸洋平、高校二年生。彼は下宿仲間の女子「サブレ」こと、鳩代司に片思いをしている。夏休みに入り、しばらくサブレには会えないと思っていためえめえは、実家に帰らず下宿に残っていた彼女に出くわす。だが、サブレにだって予定がないわけではない。遠方…

2023/2/24

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

恋とそれとあと全部 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

夢追人009

下宿仲間でクラスメイトの高校生男子めえめえ(瀬戸洋平)と女子サブレ(鳩代司)が夏休みの四日間を一緒に過ごす「ひと夏の恋物語」なのですが、サブレは人が死ぬドラマのビデオが大好物で、めえめえから「何回死ぬって言うんだよっ!」と突っ込まれる変な女子で、田舎の爺ちゃん家に遊びに行くのに、めえめえも一緒に行く事になるのです。彼は彼女に片想いで普段は部活一筋の体育会系男子なんだけど、変てこで面倒くさい彼女が好きで堪らない青春真っ只中なのです。著者は死生観を作品に反映させるのがお得意ですが決して暗いムードにはしません。

2023/04/28

starbro

住野 よるは、全作読んでいる作家です。めえめえとサブレの青春譚、一夏の恋の物語、友達以上恋人未満という感じでした。関係が進展しても、めえめえとサブレという呼称だと、恋の炎が燃え上がらない気がします(笑) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916606

2023/03/09

ウッディ

高校の寮に住む男女、互いをめえめえとサブレとニックネームで呼び合う距離感の二人。サブレの考えすぎで、面倒くさい性格まで含めて好きになってしまっためえめえは、夏休み、サブレの自殺した親戚の家族に会うために、彼女の祖父の家に泊めてもらう。彼女への淡い恋心を持て余しながら、二人での遠出に心躍らせる男子高校生の心情は切なく、生と死を意識せざるを得なかった体験を共有することによって、もっと互いを大切に考えるようになっていくプロセスが眩しく、瑞々しさを感じる青春小説で、二人のひと夏の冒険が少しうらやましかった。

2023/08/21

mint☆

甘酸っぱいだけじゃない少し変わった恋愛小説だと思った。サブレとめえめえ、二人はあることを確かめる為4日間サブレの祖父の家で泊まることに。読み始めはめえめえはサブレに告白するんだろうかとそんなことを考えながら読んでいた。すると途中からあれ?ちょっと違うぞと。恋する高校生と死に対する考え方。タナトフォビアという言葉を初めて知った。二人はお互いの狡さや悪さを正直にぶちまけて、それでも好きならこれから先もうまくいきそうな気がした。「好きっていう気持ちはグラデーション」という言葉いいですね。かわいい二人でした。

2023/04/18

遥かなる想い

めえめえと サブレの恋のお話である。 サブレのじいちゃんの家で過ごす 高校生の夏の四日間を みずみずしいタッチで 描く。生真面目で ある意味 すごく めんどくさい二人の会話がいかにも 高校生らしい。著者らしい突然の毒も 本作では 影を潜め、高校生二人の夏の恋の物語だった。

2023/08/18

感想・レビューをもっと見る