KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

コメンテーター

コメンテーター

コメンテーター

作家
奥田英朗
出版社
文藝春秋
発売日
2023-05-11
ISBN
9784163916873
amazonで購入する Kindle版を購入する

「コメンテーター」のおすすめレビュー

トンデモ精神科医・伊良部が帰ってきた! 直木賞を受賞した人気シリーズの最新作が17年の沈黙を破り登場!

『コメンテーター』(奥田英朗/文藝春秋)

 2023年5月11日に、奥田英朗氏の最新刊『コメンテーター』(文藝春秋)が刊行された。表紙を見た途端に「みんなーっ!おっまたせー!」――そんな素っ頓狂な声が脳内に響いた人もいるのではないだろうか。そう、見覚えのある逆さまの赤ちゃんが表紙に描かれたこの本は、あのトンデモ精神科医・伊良部一郎シリーズの最新作である。

 精神科医・伊良部一郎シリーズといえば、2002年に発表された第1作『イン・ザ・プール』が直木賞候補作に、続く第2作『空中ブランコ』(2004年)で直木賞を受賞した超人気シリーズ。異色すぎる精神科医・伊良部一郎の突飛な活躍を描いたこのシリーズは、ドラマ化や映画化、舞台化、アニメ化とさまざまにメディアミックスされ、書籍の売り上げもシリーズ累計290万部超となっている。残念ながら2006年の第3作『町長選挙』でシリーズがストップしていたため、実に17年ぶりの登場だ。「待ってました!」と大興奮のファンの方も多いことだろう。

 本作もこれまで同様に連作短編集となっており、収められているのは全部で5編。表題作…

2023/5/11

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

コメンテーター / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

久しぶりにあの伊良部先生が戻ってきた。相変わらずの伊良部ぶり。違いといえば、コロナ禍で誰もが行動の自由を阻害されているくらい。しかし、どうやら変容もまた見られるのだ。周囲の常識的な行動規範やペースとは全く無関係な基準で動き回っていた伊良部。精神科医としても、飛びっきり常識外れだったはずなのに、今回はどうしたことか型破りではあるものの、医者としては存外にまともである。そして、この傾向は6篇の後になるほどより顕著である。したがって、患者の癒され方も尋常。これでいいようにも、かつての破天荒がいいようにも…。

2023/11/16

夢追人009

人気シリーズ復活の4冊目は原点回帰の全5編でしたね。伊良部医師もマユミちゃんも17年の時が流れてもサザエさん一家のように少しも変わっていませんでしたね。深刻なコロナ禍も何のその全く落ち込んだりせずにブラック・ユーモア連発で明るく笑い飛ばしてくれますね。元気があれば何でもできる!の精神で諦めずに頑張ろうと読者を勇気づけてくれますよ。視聴率を追いかけるワイドショー、煽り運転をしかける心ない野郎ども、金に心を乗っ取られたディートレーダー、広場恐怖症のピアニスト、社交不安障害の若者。現代社会が生み出す問題の数々。

2023/09/29

パトラッシュ

神経質だったり心が弱くて生きづらいと訴える患者を、彼らが考えもしなかったことをさせるのが伊良部流の行動治療。みなマジメで仕事に集中する性格だけに、目の前の仕事しか見えなくなってしまったのを見抜き、思い切り発散させてリフレッシュに導こうとする。怒りを溜め込むタイプには大暴れさせ、金儲けしか考えられないデイトレーダーに散財させ、不安障害のピアニストにロックを演奏させるのだから。精神治療のノンフィクションでは拘束して薬漬けにする話ばかり出てくるが、そんな現状へのアンチテーゼとして理想の精神科医を創造したのかも。

2023/05/28

starbro

奥田 英朗は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。人気シリーズ17年ぶりの最新作、連作短編集、伊良部先生&マユミちゃんのパワー炸裂でした。オススメは、表題作『コメンテーター』&『ピアノ・レッスン』です。ブラック・ヴァンパイアのLIVEを観てみたい🎵 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916873

2023/06/09

tetsubun1000mg

10何年ぶりだろうか? 伊良部先生の名前を見るだけで面白い!って反応してしまう。 看護師のマユミちゃんも健在で年を取らないね。 視聴率に悩むTVプロデューサーがよりによって伊良部先生を番組に出すなんて。 結末が分かっているけど想像の遥か先を言ったコメントが相変わらず良い。 今回はマユミちゃんも出番が多くて結構活躍している。 午後のワイドショーでの登場だが場所や相手によって変わらないのが伊良部先生。 奥田英朗さん、これからも時々書いて欲しいです。 相変らずスカッと爽快にさせてくれるような読後感は健在。

2023/08/14

感想・レビューをもっと見る