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松本清張全集 (31) 深層海流・現代官僚論

松本清張全集 (31) 深層海流・現代官僚論

松本清張全集 (31) 深層海流・現代官僚論

作家
松本清張
出版社
文藝春秋
発売日
1973-09-20
ISBN
9784165093107
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松本清張全集 (31) 深層海流・現代官僚論 / 感想・レビュー

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あきあかね

 膨大な情報を渉猟する松本清張の熱量に圧倒された。現代官僚論という総論に始まり、通産官僚論、農林官僚論、文部官僚論など個別の省庁に焦点を当てた各論へと続く。この全集に収めるに当たって取捨選択されているが、元は主要な省庁は概ねすべて網羅されており、それらも読んでみたくなった。 権力を有する者を徹底的に指弾する小説を多く書いた清張らしく、官僚機構に対しても舌鋒は鋭い。六十年近く前に書かれた本であり、取り上げられる施策等は時代を感じさせるが、官僚機構の構造的な問題は今日でも些かも変わっていないように感じる。⇒

2022/08/12

しんすけ

後半の「現代官僚論」は前半の「深層海流」の背景が、フィクションでないことを教えてくれる。50年以上前に書かれたものなのだが、現代にも通じる官僚機構の暗黒が明確に描きだされているとも云える。例えばコロナ対策においても施行よりも法整備を先にするという本末転倒が行われるのも、アメリカ占領下の官僚の考え方が未だに生きていることを教える。いや敗戦後75年近くなるのに植民地根性から脱却できないのも、敗戦の認識が明確ではないことによる。

2020/03/06

しんすけ

60年前に書かれた本だが、安倍政権が日米安保体制維持と憲法改悪に執念のようにしがみ付いている理由がよく解る。 結論を云えば利権がすべて絡んでいる。金に穢い安倍政権の根本要因を明かされている気分の読書だった。 国が戦争に負けると戦勝国から金を徴収されるが、その出どころは貧民の懐だけの様である。 軍人や政治家に金が無かったのではなく彼らは隠し持っていたわけである。 これが米国に摘発されれば大変なことになるのだが、観て観ぬふりの米国だったことも明らかにされている。

2020/02/23

Ted

'73年9月刊。△取り上げられているのが文部省と農林水産省、検察庁、通産省、警察庁、内閣調査室だけなので中途半端な感じが否めない。どうせ書くなら全ての官庁を網羅してほしかったが、官僚の性格や本質はどこも一緒なのでその必要もないか。

2018/06/21

御光堂

M資金関係の話が読みたくなって、そのテーマであるという「深層海流」を読んだ。M資金というより、それによって運営される秘密諜報組織の内部抗争と政官界の派閥争いが詳細に描かれ、これは本当のことなのだろうか、作者はどこから情報を得ていたのだろうかと気になった。久我首相と書かれているのは吉田首相がモデルであることはすぐ分る。

2017/12/01

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