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バケツ (文春文庫 き 20-2)

バケツ (文春文庫 き 20-2)

バケツ (文春文庫 き 20-2)

作家
北島行徳
出版社
文藝春秋
発売日
2008-09-03
ISBN
9784167628024
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バケツ (文春文庫 き 20-2) / 感想・レビュー

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はつばあば

すごく優しい本を読んだ。賢い人は色々な批判やうん蓄を語るだろう。私だって読み始めて、2008年の作品なのに体罰のある児童施設なんて!と頭にきたもの。主人公神島が助けたつもりでいる軽度の知的障害のバケツ。違う違う、バケツはこの神島の必要とする力の源。あの仕事・この仕事と掛け持ちするバイタリティーはバケツのおにぎりに代わる。イヤ行政の足らん分を補足している仕事ばかりだ。プライベートヘルプがあるなら早速申し込みたいくらいだ。「人は生きている限りやりなおしのきかない失敗なんて無い。」その言葉を若い人に伝えたい。

2016/08/11

はらぺこ

主人公・神島大悟が再就職先の養護施設でバケツと呼ばれる少年に出会い、お互いに成長していく話。 ギリギリ知的障害者に認定されなかったバケツ、無認可保育園、老人専門のプライベートヘルプなど公的サービスから漏れたモノに神島が係わる事で現状の問題点などが分かった。ただ、話が変わる度に新しい事業がメインになるので物足りなさは有る。 無認可保育園の社長が登場した際は「世の中ゼニでっせ~」的な関西人やったんで未だに「パーやん」かとこけそうになりました。関西人=金にガメツイは永遠なんでしょうね(苦笑)

2014/02/18

こばまり

「無敵の〜」の北島氏が小説を上梓されていたとは。著者の分身であろう主人公は一見気弱だが、強さがなければここまでの優しさは滲んでこないと思うのだ。発表から10年を経ているが福祉や保育、介護を取り巻く環境と人々の理解に大きな変化はないと感じた。

2016/08/05

エドワード

これは愛おしい疑似家族の物語だ。ストレス満載の伯父の会社から逃げ出した神島が養護施設で出会った少年、バケツ。風呂に入らず、少し知恵遅れで盗癖あり。神島は彼をほっておけず、他の保育師と対立する。施設を出たバケツと二人で暮らした五年間。日焼けサロン、保育園、プライベートヘルプと次々と経営する神島もやるよね。バケツは新聞配達を始め、失敗しながらも、やがて神島に迷惑をかけないよう出て行こうとする。成長したバケツにショックを受ける神島、どうなる二人?バケツの舌足らずのセリフ、黒田や須藤など周囲の温かい面々もいいね。

2018/04/07

三平

川上弘美の書評で紹介されており、手に取ったのだが期待以上の掘り出し物!面白かった!!マッチョの癖に気が弱い青年神島と知恵遅れの少年"バケツ"が共に暮らし、成長していく物語。能天気なバケツと生活の為に次々と必死に新しいビジネスに手を出す危うい神島のコンビが面白い。著者は身障者プロレスを主催しているシナリオライター。か弱い天使ではなく血の通った人間として障害者とぶつかってきた著者ならではの快作。保育問題、老人介護などの社会問題も取り上げ、でも笑ったりホロリと来たりできる楽しい作品。是非多くの人に読んでほしい。

2014/05/18

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