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わが母なる暗黒 (文春文庫)

わが母なる暗黒 (文春文庫)

わが母なる暗黒 (文春文庫)

作家
ジェイムズ・エルロイ
佐々田 雅子
出版社
文藝春秋
発売日
2004-01-10
ISBN
9784167651374
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わが母なる暗黒 (文春文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

10歳の少年の母が殺された。性犯罪。それは、離婚している父と過ごした週末の未明。普段は覆い隠されているはずの母の身体の一部は露出していた。犯人は見つからぬまま。生活能力に欠けた父。酒、マリファナ、タバコの蔓延するLA。少年は、心を壊した。闇や猥雑さが、彼に取り憑く。四半世紀苦しみ、這い出し、ミステリを書き始めた。LA四部作を仕上げ、母を探しに行く。母を裸にして、母に欲情しなければならない男の闇。母以上にミステリアスで魅力的な女に出会えるはずもない運命を背負ってしまったエルロイの闇。

2018/10/03

GaGa

作者自身の手によるノンフィクション。と、いうよりもノンフィクションノベルと言った方がいいのか、どうにも読み終わった今も定かではない。これは、珍しいケースで、名のある作家がここまで赤裸々に自身の母の死とその内容をたどっていけるものかと疑いたくなる。ただ、そのため読み応えは十分。

2012/09/27

藤月はな(灯れ松明の火)

幼い頃に殺されたエルロイの母「赤毛の女」が個人である「ジニーヴァ・ヒリカー」となるまでを記した自叙伝。『ブラックダリア』で描かれた被害者に執着する刑事はエルロイ氏自身だった。母の事件だけでなく、父に母への憎悪を植え付けられ、母の死亡後は暴力、犯罪への興味、下着泥棒、覗き、薬物やアルコール乱用、浮浪者生活を送っていたことを徹底的に会話文以外は過去文体で綴っている。そんな中、最終節で現在文体になった所に母への真摯な愛を感じる。「女は男に容赦なく執拗に虐待されたという理由で男を殺した」という文章が一番、印象的。

2015/11/18

バ度ホワイト

エルロイが自分と向き合う。母を憎み、欲し、追いかけ受け入れていく。それが自伝とは思えぬ、いつものエルロイ文学を読んでる感じの重たさ。後半からは家族そして母親に対する愛に溢れるものでした。しかしこの母親の事件がなければ大作家ジェイムズ・エルロイは誕生しなかったのではないかと複雑な思いがよぎりました。

2017/07/22

hikarunoir

再読。再調査目的が解決にないのは明白だが、結婚離婚を繰り返し社会に浮沈する女(母系)が辿り難いことに大抵の未解決の闇がある。

2016/08/28

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