パチンコ 上 (文春文庫 り 7-1)
パチンコ 上 (文春文庫 り 7-1) / 感想・レビュー
おたま
1911年、韓国の釜山近くにある影島(ヨンド)から物語は始まる。キム・フニとヤンジンが結婚し、子どものソンジャが生まれる。物語のテンポは非常に速い。ソンジャの成長と、コ・ハンスとの出会い、そしてソンジャは身ごもる。しかし、ハンスには大阪に妻と子どもがいることが分かる。さらにそこにパク・イサクと名のる牧師が現れ、ソンジャが妊娠していることを承知の上で結婚することを求める。そして、イサクとソンジャは、イサクの兄のヨセプが住む大阪を目指す。この辺りまでが1930年代の話。
2024/02/24
ヨーイチ
久々の新しい翻訳小説。まあ正攻法の大河小説。例によってコメントは下巻終了時に。朝鮮側からの日本描写は新鮮で勉強になった。読み易いのも丸。上巻終了時で小生の産まれる三年前。面白いのでサクサク行ける。お勧め。
2023/07/15
Shun
日韓併合時代の朝鮮半島、貧困が世を覆う中、下宿屋のキム一家は逞しく生活していた。ある日娘のソンジャは市場で出会ったやり手の仲買人ハンスと恋に落ち身籠るが、彼には日本で暮らす妻と娘がいると告げられる。この状況は世間体としてソンジャに暗澹たる未来を予見させるが、丁度下宿屋の世話になっていた牧師イサクによる献身のおかげで氏を得る機会を得て、そして彼女は彼と共に大阪へと渡るのだった。朝鮮半島から大阪、そして横浜へと激動の時代の波に流されるように移動するコリアン一家の波乱を描く大河小説。戦争を乗り越え、下巻へ続く。
2023/07/23
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
日本統治時代に父親がいない子を身籠った女性が、日本に渡る。理解のある周囲の人たちに助けられて大阪の朝鮮人街に暮らす話。なんとたくましい生真面目な人たちだろうか。話の後半でやっと戦争が終わる。これから下巻。
2024/02/28
秋 眉雄
過酷な時代に翻弄され生きる小市民。何かにしっかりと掴まらなければ、ふとした瞬間真っ逆さまに堕ちていくような生活の中で辿るその人生。日常の微かなひび割れからかろうじて差し込まれる希望。或いは、生きること自体の美しさなんかを考えました。とても良い小説を読んでいるなあと思いながらの読書でした。下巻へ。それにしても、ものすごく読みやすい文章です。英語からの翻訳ではなく、まるで最初から日本語で書かれた小説のようでした。
2023/10/08
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