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パチンコ 下 (文春文庫 り 7-2)

パチンコ 下 (文春文庫 り 7-2)

パチンコ 下 (文春文庫 り 7-2)

作家
ミン・ジンリー
池田真紀子
出版社
文藝春秋
発売日
2023-07-05
ISBN
9784167920753
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パチンコ 下 (文春文庫 り 7-2) / 感想・レビュー

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おたま

うーん、なんだろう、この失速感。上巻では在日韓国・朝鮮人の戦前からの日本での暮らしの苛酷さやそれでもたくましく生き抜いていく姿に胸打たれた。が、下巻に入ると、今一つ描かれているものから強く迫ってくるものが感じられなくなった。年月の経つのも速すぎるし、その一つ一つのエピソードの書き込みの密度が減っているように思う。扱っているテーマは重いのだが、その重さに見合うだけの描き方になっていないように感じた。在日韓国・朝鮮人の日本での暮らしの一端を知ることはできるが、もっと緻密に描いてほしかった。そこが残念。

2024/03/08

つーこ

在日韓国人はいつまでガイジンなのか?我慢、諦め、そんな人生をいつまで送れば良いのか。どこまでいっても解決しない人種問題は未だ何も変わっていない。ソンジャの時代から今でも。その事実を我々日本人は重く受け止めなければならない。恥ずべき差別意識。日本人や韓国人からだけでなく他の国の人から見ても不可解なのだろう。それゆえこの本がアメリカで大ヒットしたのだろうと思うと情けない。

2024/02/25

ヨーイチ

コリヤン系アメリカ人が執筆した朝鮮人の記録もとい小説。作者のルーツ探しって先入観があったが、どうやら違うみたい。まぁモデルらしき人物が最後に出てくるが。小生は東北の田舎出生なので、朝鮮人の知識も関心も殆ど無かった、中学に進み関西人が身近な存在として朝鮮人の事を語るのにビックリしたことがあった。同和地区と同じで何故か部落って言葉で括られていた。因みに東北地方では集落、地区と同様に部落って言葉が生きていた。例えば地区ごとの子供の交流会を部落児童会って呼称していた。続く

2023/07/29

Shun

下巻へと読み進め、題名のパチンコという単語が存在感を強くしていく。日本在住のコリアンである為に職業の自由はなく、仕方なく卑しいと蔑まれるパチンコ業界で働く者たちがいて、彼らもまた本作の主要人物といえる。戦争によって一層彼らの民族性は侵害され、過酷さゆえに日本人と偽り生きていかねばならない者もいたそうだ。そしてこの国はとりわけ朝鮮民族に対し差別的な対応をしてきた歴史があり、本作は事実に近い形で小説にしている。一家の4世代に渡る物語になるわけだが、異国の土地で生きる親世代から孫世代の感覚の描き方に真価を見た。

2023/07/25

秋 眉雄

下巻に入っても、それぞれの心情を細やかに紡いでいく、とても丁寧な小説だと思いました。下巻半ば過ぎから幾分失速気味に感じたのは、物語云々というよりも、時代自体にそれ以前よりも力、或いはダイナミックさというものが小さくなったからだと、擁護してやりたくなる、肩入れしてやりたくなる小説でした。物事が物語的にうまく転がりすぎているという意見にも、まあ頷けないこともないですが。そんなことも含めて、韓国の方・在日の方たちの感想も聞いてみたいです。読書中、余華の『兄弟』を何となく思い出しました。

2023/10/13

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