ある実験 一人選べと先生が言った (徳間文庫)
ある実験 一人選べと先生が言った (徳間文庫) / 感想・レビュー
遊々亭おさる
大規模な地震の到来がまことしやかに囁かれていた頃にS大社会学部で行われたある実験。それは、それぞれの思想を持つ16名の中からひとりを選び出すというもの。これはあの悪名高きアイヒマン・テストなのか?20年後、この実験の主催者である中平教授が殺された後、教授の息子が誘拐されてあの実験の詳細を公開せよと脅迫文が届き…。選ばれること、選ばれないことを繰り返しながら人は一生を終えていく。選別の苦痛から逃れられる差別無き世界を目指した男。同調圧力が強いどこかの国で男の野望は実現しているか。そこは天国かディストピアか。
2020/11/18
鼻フック
誘拐事件が発生し、犯人の要求が「過去に行われた実験の詳細を公表すること」から始まるミステリー。16人のうち、生き残るべき人物の選定をディベートで行うという実験の目的とは何か?が少しずつ明かされていくので、気をもみながら読んだ。オチはちょっと弱かったけど、読後感はまあまあ良かったかな。
2021/06/27
non
21-19:面白いな設定。心理。「就活用の人格を身にまとえているかーー就活用の人格が欲しい・差別的な考えを心の底で持っていたとしてもこの場ではそれを封印して極力公平な立場に立とうとするそういう姿勢が君には欠けている・みんな等質」
2021/02/04
たこ
中盤までの止まらない高まりは凄い。
2020/11/23
ISASI
障害者殺しで服役中の植松聖が「実話ナックルズ」で連載中(!)の漫画「トリアージ」を連想した。本書にも「トリアージ」という章がある。 興味深いのは、植松が自作の中で「あること」に触れるのを避けよう避けようとしているのに対して、両角は何とかそれを文章にできないかと苦しんでいるように見えることだ。
2020/08/08
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