純喫茶トルンカ しあわせの香り 〈新装版〉 (徳間文庫)
純喫茶トルンカ しあわせの香り 〈新装版〉 (徳間文庫) / 感想・レビュー
エドワード
続・純喫茶トルンカ、今回はスピンオフ作品集だ。店で映画の撮影が行われる。常連の千代子の永遠の恋人・春日井武彦の思い出はショパンのエオリアン・ハープだ。店にその曲が流れた時の監督の一言「父がよく聴いていたな。」―「監督さん、春日井さんとおっしゃるの?」監督は武彦の息子だった!雫の幼馴染み・浩太は、雫の亡き姉・菫から「シェード・ツリーのように雫を守ってね。」と頼まれた。高校生になった浩太と雫の凸凹ライフ。女優のルミは気づく。浩太は確かにシェード・ツリーだと。最終章は絢子の新たな旅立ち。芳醇な余韻が香る三編。
2023/03/10
坂城 弥生
今回は旅立ちの話が多かった印象。
2023/07/10
ぽろん
純喫茶トルンカの続編。千代子おばあちゃんの話は、良かったなあ。絢子さんの再会の話もじーんと来た。どの話にもマスターが入れてくれる珈琲が優しく後押ししてくれている。私も芳醇な香りの珈琲をゆったり味わいたいなあ。
2023/05/04
ひめか*
美味しそうなコーヒーの描写で始まり、トルンカに行きたくなる。80代千代子の初恋をめぐる話、スミねえにシェード・ツリーになるよう妹を託された浩太の話、イラストレーターになるも厳しい現実に直面する27歳絢子の話の3本立て。千代子の過去は切なさもあるが、ショパンの音楽で彩られている。会いたかった人と歳をとってから思いがけず再会するの奇跡で楽しそう。浩太を守るための雫の発言かっこいい。女優との出会いで前向きになれて良かった。別れても良い関係でいられる絢子と宇津井は素敵。トルンカに訪れる人はみんな優しくて心が和む。
2023/08/04
Karl Heintz Schneider
東京・谷中の路地裏にある小さな喫茶店。「トルンカ」を舞台にした3つの物語。10年前に書かれた、純喫茶トルンカの続編。前作の20年後という設定なのだが、なにしろ前作を読んだのが5年前なので、物語の設定も登場人物も覚えていない。3つの物語はそれぞれ独立しているが、登場人物どうしが、ゆるやかにつながっている。「再会とは、人生における一番身近な奇跡である。」20年後の再会を喜ぶみんなの様子を読み、徐々に登場人物の造形が甦ってくる。さわやかな読後感だった。
2023/04/05
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