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王の綽名

王の綽名

王の綽名

作家
佐藤賢一
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023-11-10
ISBN
9784296118946
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王の綽名 / 感想・レビュー

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パトラッシュ

日経新聞連載中も愛読したが、まとめて読むと実に面白い。王という名の俗物につけられた綽名が、君臨した国の性格にも通じるのだから。助平ジジイや最愛王はフランス恋愛映画の主役になるし、生涯を戦争に捧げた赤髭王はドイツ的だと納得してしまう。粛清を繰り返し雷帝と呼ばれたロシア皇帝は、スターリンやプーチンの祖先かと思える。外国人移民を奨励したら入植王、探検航海のパトロンになれば航海王子だが、政治的都合で不能王だの狂女王と呼ばれたのは王位の代償とはいえ気の毒。いずれ彼らの生き様を、著者が痛快なドラマとして書いてほしい。

2023/11/26

さつき

ヨーロッパの王侯たちの綽名をその生涯のあらましと共に紹介する内容。イギリスやフランスの王様達はエピソードも既知のものが多かったが、スペイン(特にスペインとなる前のカスティーリャ、ナバラ、アラゴン時代)やポルトガルの王様の話しが知らない事ばかりで新鮮でした。戦士王アリフォンソ1世、修道士王レミーロ2世や詩人王テオバルド1世、待望王セバスティアン1世の事が気になりもっと知りたいと思いました。

2023/12/31

星落秋風五丈原

禿頭王西フランク王シャルル2世 いや身体的特徴を綽名につけるのはさ、どう?だってみんな年取ったらはげるでしょう。ましてや肖像画を見ると髪フサフサだったそうで本人怒る。一時的に剃髪(フランシスコ・ザビエルカット)したからだとか。 獅子心王イングランド王リチャード1世 これは最も有名。ライオンハート。『ロビン・フッド』に登場する勇ましくかっこいい。映画ではショーン・コネリーが演じていました。国民に言わせると、やたら他国に攻め入るのが大好きで、国内放ったらかしだったとか。映画『冬のライオン』登場。

2023/12/17

rosetta

佐藤さんの本は何でも読みたいから中身も見ずに手にしたら小説ではなくエッセイだった。日経新聞に連載していたのか。なるほど、想定される読者のレベルからしたらこんなもんなんだろうな、何せ『失楽園』を連載していた新聞だもの(笑) ヨーロッパの王室ではシニア・ジュニアとか一世二世とか同じ名前が多い。そこで区別するために渾名をつける。イワン雷帝とかジョン失地王とか太陽王ルイ14世とか獅子心王リチャードとか。半分くらいは聞いたことがあるし初めて名前を知る人もいる。4ページづつで55人。コンビニ本みたいな軽い読み物。

2023/12/04

よっち

今も伝わる55人の王につけられた綽名から、近代ヨーロッパのなりたちがわかる。ゴシップとスキャンダルに彩られた、華麗で野蛮な中世・近世欧州史を紐解いた一冊。暗黒時代だった9世紀のフランス・ドイツ・イタリアの元となったフランク王国の小王ピピンから、現代の国々の勢力図になっていった19世紀の二月革命で廃位されるフランス市民王ルイ・フィリップまで、残虐非道な謀略、親子兄弟の骨肉の争い、結婚や世継ぎを巡る醜聞、そこにカトリック教会など宗教を絡めた当時の情勢も色濃く反映された事情が伺えて、なかなか興味深く読めました。

2024/01/02

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