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魂の痕(きずあと)

魂の痕(きずあと)

魂の痕(きずあと)

作家
梁石日
出版社
河出書房新社
発売日
2020-01-24
ISBN
9784309028538
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魂の痕(きずあと) / 感想・レビュー

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モルク

太平洋戦争直前済州島で暮らす春玉は、隣村の10才の朴家の息子と結婚させられる。下女としてしか扱われない生活、息子を溺愛する姑、男尊女卑の中、済州島にも日本がそして日本人が蔓延ってくる。舅は日本人に媚びへつらい、小作人たちの不満は高まる。ついに…春玉は夫の仕打ちもあり婚家を飛び出し日本に渡る。そこでもまた過酷な運命が待っていた。日本に渡ってからも朝鮮人社会の波にのまれていく春玉。次第にたくましくなっていく彼女を感じながら、今後の彼女の生きざまも見てみたい。なんという骨太な作品。「血と骨」も読まなくちゃぁ。

2021/01/24

千穂

大戦前の済州島に住む春玉は10歳の男児の元に嫁ぐ。貴族階級の嫁にも関わらず下女の如き扱いをされるのは男尊女卑の韓国では当たり前なのか?辛いばかりの生活から逃げるように日本に渡るが、そこに待ち受けているのも辛い日々。その中でも強く生きる。初読み作家さん、「血と骨」も読んでみたい。

2020/07/02

はじめさん

大戦前、日本に食い物にされる韓国。歳下、10歳の男児の下に嫁いだ少女。貴族階級たる両班では早婚は珍しくないらしいが、我が子を溺愛する姑は嫁を下女と同じくらいにしか見ていない。日本とパイプ持つ舅は権力を振りかざして貧しいものから搾取しまくる。やがて長じた夫も、優しくなくガツガツしてくるし、男児を産む機械としか見られないのか…思い悩んだ彼女は…。 / キム・ジヨンじゃないが、韓国は昔から女性蔑視がすごいお国柄なんだなぁ…。独身男性を指すチョンガーは韓国語が由来。アイゴーとか色々出てくるが、後半の関西パート好き

2020/04/25

それいゆ

「血と骨」を読んだのはもう何年前だろうか?私の中では傑作だという評価でした。映画は観ていませんが、当時と日韓関係の状況が様変わりした今、「血と骨」と一対をなすという「魂の痕」を読んでも、そんなには感動もしないし、何か冷めた感覚の中で読了しました。自分の中ではここ数年増長してきた嫌韓意識がこの作品を読む妨げになっているような気がしてなりません。10歳の男の子と結婚するという話で始まるこの物語は、自分の感覚では現実離れがはなはだしく、もうその段階で引いてしまった自分がありました。

2020/02/14

reading

男尊女卑の風潮が厳しい社会に生きる女性の悲哀を感じた。想像を絶する辛い仕打ちを受けた春玉であるが、出産を契機に徐々にたくましさがみられるようになる。たくましくなければ生きていけないというのが現実だっただろう。日韓の歴史についてもいろいろ考えさせる物語だった。あの金俊平が登場して、古い記憶がよみがえってきた。

2020/05/05

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